猫が『高い声で鳴く』ときの理由3つ

1.甘えたい・注意を引きたいとき
猫が高い声で鳴く理由で多いのが、飼い主さんに甘えたい、または注意を引きたいときです。
高い鳴き声は子猫が母猫に対して使うものなのですが、飼い猫の場合は、成猫になっても飼い主さんは母猫の代わりなので、いつまでも子猫の気分が抜けないもの。
そのため「ニャーン」や「ミャーミャー」といった高く甘えるように鳴き、どうにかして飼い主(母猫)の気を引こうと企んでいるのですね。
とくに朝起きたときや帰宅時、食事前、飼い主さんが忙しくしているときや、テレビを見ているときなどに「こっちをみて」と鳴きがちです。
さらに猫は非常に賢い動物で、どのような鳴き方をすれば飼い主さんが振り向いてくれるかも学習します。
高い声で鳴いて飼い主が構ってくれた経験があると、その行動を繰り返すようにもなります。
【対処法】
対処法としては、まず猫の要求に適度に応えてあげることが大切です。完全に無視してしまうと、猫は不満を感じます。
そのため忙しくても軽く撫でてあげたり、短時間でも遊んであげたりして、猫の甘えたい気持ちを満たしてあげましょう。
2.お腹が空いた・何かを要求しているとき
猫が高い声で鳴くふたつめの理由は、お腹が空いているときや何かを要求するときです。
飼い猫の場合は、とくに食事の時間が近づくと「ニャーン、ニャーン」鳴き始めることが多いでしょう。これは明確な要求の表れで、「ご飯が欲しい」「おやつが欲しい」という意味です。
食事以外にも、「トイレを掃除して欲しい」「ドアを開けて欲しい」「遊んで欲しい」「お気に入りの場所に連れて行って欲しい」など、様々な要求を高い声で表現します。
こういった要求を見極めるポイントは、鳴き声と同時に見せる行動を観察することです。
たとえば食器の近くで鳴いているならお腹が空いている、トイレの前で鳴いているなら掃除を求めているといった具合に、場所と行動を組み合わせて判断しましょう。
【対処法】
要求鳴きの対処法としては、まず猫の要求が合理的であるかを判断すること。
食事の要求であれば、決まった時間に適量を与える、トイレの掃除であれば速やかに対応するなど、正当な要求には応えてあげましょう。
ただし過度なおやつの要求など、猫の健康や生活リズムに悪影響を与える可能性があるものについては、一貫して無視を貫くのも大切です。
3.発情期を迎えているとき

未去勢・未避妊の猫の場合、発情期になると特徴的な高い声で鳴くことがあります。
これは繁殖行動の一部で、異性の猫を呼び寄せるための本能的な行動で、通常の鳴き声とは明らかに異なり、より大きく、長く、切ないような響きを持つことが特徴です。
メス猫の発情期は一般的に春から秋にかけて訪れ、「アオーン」「ニャオーン」といった独特な高い声で鳴き続けます。
昼夜を問わず鳴き続けることもあり、飼い主さんの頭を悩ませる子もしばしば…。
なおオス猫の場合は、発情したメス猫の鳴き声やフェロモンに反応して高い声やこもった声で鳴きます。
メス猫ほど規則的ではありませんが、近くに発情したメス猫がいる場合は激しく鳴き続けることもあります。
【対処法】
対処法としては、繁殖を予定していない場合は去勢・避妊手術を検討することが最も効果的です。手術をすると発情期がなくなるため、発情による鳴き声もなくなります。
手術の時期や方法については、獣医師とよく相談して決めましょう。一般的には生後6か月頃が目安です。
手術後は猫の性格は落ち着き、マーキング行動も減る傾向があるため、室内飼いの猫にとってはメリットが大きいと考えられています。
さらに避妊・去勢手術は生殖器に関する病気の予防にも効果的で、とくにメス猫の場合は早い段階で避妊手術を受けると、乳がんのリスクをグンと下げることもわかっています。
まとめ

猫が高い声で鳴く理由はさまざまで、今回紹介したもの以外にも個体差や環境要因、健康状態によって高い鳴き声で鳴くこともあります。
しかし大切なのは、愛猫の日頃の様子をよく観察し、普段とは違う鳴き声に気づいたときは、その背景にある気持ちや状況を理解してあげること。
猫の鳴き声は、私たち飼い主との大切なコミュニケーション手段。その声に込められた気持ちや要求に対して、適切に応えてあげましょう。