飼い主さんを困らせる!?『ネコハラ』の実態

近年、SNSを中心に『ネコハラ』という言葉が注目されています。多くの飼い主さんが被害にあっており「乗っ取られた」や「隠された」などの物騒な文言とともにSNSに投稿されています。一体何が起きているのでしょう。
ここでは、『ネコハラ』の実態として4つのケースを紹介いたします。
思わずクスッと笑える事例の数々と合わせて、人々を戸惑わせながらも和ませる加害者(猫側)の心境も解説いたします。
1.飼い主さんの私物を隠す

「もう出勤時間なのにスマホが見つからない」「鍵が見つからない」とソワソワする飼い主さんを横目に、何やら企んでいそうな目をした愛猫が…。実は愛猫が大切な私物を隠していたという経験はありませんか?
1つ目のケースは、外出妨害タイプのネコハラです。この行動には『遊んでほしい』『行かないでほしい』『飼い主さんのにおいに包まれたい』などの気持ちが隠れています。
特にハンカチや衣類に乗る猫は、飼い主さんのにおいがそばにあることで安心感を得ています。ウールサッキングの心配がないようであれば、持ち歩かないタオルやTシャツなどを差し出してみてください。
構ってほしいという理由であれば、蹴りぐるみにマタタビを塗ってその場はやり過ごし、帰宅後に思う存分甘えられる機会を設けてあげましょう。「この時間に遊んでもらえる」と学ぶことで、徐々にネコハラが減るはずです。
中にはカバンに入り込むという強者もいるかもしれません。このタイプのネコハラも真意は同じです。使い古しのトートバッグなどがあれば、そちらに入るように仕向けてみてください。
2.PCや資料の上で寝てしまう

SNSでよく見かける「乗っ取られた」の正体は、PCや資料の上で堂々と眠る猫たち。2つ目のケースは業務妨害タイプのネコハラです。
この行動の背景には『心地良さ』があります。使用中のPCはほんのり温かく、紙の資料も柔らかくて寝心地抜群。だからこそベッドにされてしまうのです。
ただし中には「構ってほしい」「ご飯はまだ?」「トイレが汚れてるよ」といった欲求が隠れていることもあります。もし思い当たる節があれば、まずは猫の要望を叶えてあげてください。
それ以外の場合は、デスクの端に段ボールやカゴを置いて猫用席を作るとスムーズに解決することが多いです。もちろん、支障がなければ膝の上を開放してあげてもOKです。
ちょっぴり邪魔ではありますが、癒されること間違いなし。意外と「猫がいるほうが集中できる」なんて効果を実感する人も少なくありません。
3.寝床を奪う・寝返りを打たせてくれない

3つ目は、睡眠をめぐるネコハラ。ベッドの真ん中を占領される、枕を奪われる、体の上に乗られて寝返りが打てない…。そんな夜の被害報告は後を絶ちません。
猫の気持ちとしては「安心する」「守っているつもり」「子猫時代を思い出している」など、どれも愛おしい理由ばかり。これはもう、多少の不便は受け入れるしかないかもしれませんね。
ただし冬限定で起こる場合は寒さ対策の意味合いが強いこともあります。猫が冷えてしまっていないか、環境を見直してみましょう。成猫であれば室温は26℃前後、湿度は50〜60%が理想です。
部屋全体を温めるだけでなく、ドーム型の寝床や段ボールを置いて「部分的に温かい場所」を用意すると安心です。
4.嫉妬から割り込みをする

猫にとって、飼い主さんは大切な縄張りの一部です。そのため、他の人に取られることをよしとしません。ソファの真ん中を奪ったり、話の最中に「ニャー」と割り込んだりするのが4つ目のネコハラ。嫉妬による妨害です。
これは、下の子が生まれると上の子が甘えたりする心境に近いものです。対処法としては「ちゃんと見てるよ」「大事な存在だよ」「今はあなただけの時間だよ」と伝えてあげることが挙げられます。複数飼いの場合は、それぞれに個別の時間を設けてあげましょう。
愛情をしっかり感じられれば、次第に嫉妬心は薄れていくはずです。もちろん一時的なものであれば心配はいりません。「うちの子は意外と独占欲が強いんだな」と新しい一面を楽しむくらいの気持ちで接してあげてください。
まとめ

猫によるハラスメント、『ネコハラ』の実態を紹介いたしました。人間が引き起こすハラスメントとは違い、どれも可愛らしいものばかりでしたね。
巷で目にする『ネコハラ被害』はもはや、癒されすぎて困るものという嘆き。これからも積極的に受けたいと思う飼い主さんが多そうです。
とはいえ猫に危険が及ぶもの、本気で困るものはしっかりと対処していくことが大切です。お互いの安全を守りつつ、チャーミングな『ネコハラ』が増えることを願うばかりです。
ちなみに筆者は『抱っこネコハラ』の被害者です。体重4kgの愛猫が抱っこをせがみ、ひとたび膝の上に乗ると30分は拘束されてしまいます。長ければ1時間に及ぶことも。おかげで足がしびれ、その後の動きに苦戦する毎日を満喫しています。