猫に恐怖を与える『絶対にやってはいけない叱り方』5選 トラウマになってしまうかも

猫に恐怖を与える『絶対にやってはいけない叱り方』5選 トラウマになってしまうかも

猫をしつけようとしても、誤った叱り方をしてしまうと逆効果です。本記事では、猫に恐怖やストレスを与える「やってはいけない叱り方」5つを解説。それぞれの問題点と理由を知り、猫との信頼関係を守るための接し方を見直しましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.大声で怒鳴る

両耳を伏せる猫

猫に対して声を荒げて叱るのは逆効果です。猫は大きな音に敏感で、怒鳴られることで強い恐怖を感じ、場合によってはパニックを起こすこともあります。

また、怒鳴ったとしても猫は「なぜ怒られているか」を理解できないため、飼い主に対する不信感だけが残ってしまうのです。

頻繁に大きな声を出されると、猫は飼い主の存在自体を「危険なもの」と認識して近寄らなくなる可能性も。信頼を壊さないためにも、猫を叱る際は冷静で落ち着いた態度で行う必要があります。

2.物を投げる

ビックリする猫

スリッパやクッションなどを猫の近くに投げて威嚇する方法も絶対に避けましょう。たとえ直接当たっていなくても、猫は「飼い主から攻撃された」と感じてしまい大きな恐怖を抱きます。

また、「物を投げる=危険」という条件づけがされてしまい、日常のちょっとした動作でも怯えるようになることがあります。

物を使った威嚇は、猫にとって深刻なトラウマとなる場合があり、長期的な不安行動に発展する可能性も否めません。

問題行動が起きた際、飼い主がしていると気づかれないように猫が嫌がることを行う「天罰法」という行動修正法も存在しますが、タイミングと飼い主と気づかれない方法が非常に難しいため、積極的には勧められません。

3.体を叩く・つねるなどの身体的な罰

怯える猫

「軽く叩くくらいなら大丈夫」と思いがちですが、猫にとってはそれが強い暴力と感じられます。

たとえ、力を加減した状態で軽い接触をしたとしても、猫の皮膚は敏感で予期せぬ接触は強い不快感を生じやすいため、信頼関係を一気に壊す要因になりうるのです。

叩かれた経験がある猫は手が近づくだけで逃げたり威嚇行動を取ったりするなど、トラウマを植え付けてしまう原因にもなります。

身体的な罰は猫にとっても、飼い主にとっても何一つ良い結果をもたらしません。

4.長時間にわたる無視

飼い主に向かって鳴く可愛い猫

猫が悪さをしたあとに「無視してしつける」という手法が紹介されることもありますが、やり方を誤ると逆効果です。特に飼い主からの長時間の無視は、猫に強い孤独感や不安を与えてしまいます。

猫は基本的に空気を読む動物ではありますが、人間のように「反省する」という行動にはつながりません。無視され続けると自信を失い、しょんぼりと元気をなくしてしまう子も。

しつけとしての無視をするのであれば、問題行動が起きた直後のみ短時間とし、メリハリをつけるようにしましょう。

5.閉じ込める

キャリーに入った猫

トイレやキャリーケースに閉じ込めて罰を与えるのもNG行動です。こうした場所は本来「安心できる空間」であるべきなのに、罰と結びつけてしまうと、猫はそこを避けるようになってしまいます。

トイレに行かなくなり排泄を我慢する(またはトイレ外で粗相する)、キャリーに入らなくなるといった問題行動につながり、健康面にも悪影響を及ぼすことがあります。安心すべき場所は、常にポジティブな環境であることが大切です。

まとめ

警戒しながら様子を伺う猫

猫にとって「叱られる」という概念は人間とは異なります。大声や暴力で恐怖を与えても、多大なストレスになるだけで問題の解決にはつながりません。

大切なのは悪さをした原因を理解し、環境や接し方を見直すこと。たとえば爪とぎを家具でしてしまうなら、専用の爪とぎを増やすなど猫の行動欲求を満たす工夫が求められます。

信頼関係を壊さずに猫と良い関係を築いていくには、「叱る」のではなく「導く」姿勢が何より大切です。

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