1.温度は21~28度前後に

猫の平熱は人間より高く、38度〜39度ほどです。猫の祖先は、気温が高く、乾燥した地域に生息していたため、寒さには比較的弱く、暖かさを好む傾向があるといわれています。
とはいえ、暑すぎたり寒すぎたりは、体調不良やストレスの原因になってしまうこともあります。猫にとって快適とされる、21度〜28度前後に室温を保つことをおすすめします。
さらに、子猫やシニア猫は体温調整がうまくできず、成猫と比べて体力もありません。子猫やシニア猫であれば28度前後と、成猫の適温よりも少し高めに室温を設定するなど、より気を配ってあげましょう。
また、呼吸器や循環器の状態が悪い子であれば、温度が高すぎると熱中症のようになって呼吸をしづらくなるなど、適切な温度は個体差があります。よく眠れているかどうかや呼吸の様子などを見ながら温度調節をしてあげてください。
2.湿度は50%前後が理想的

快適に過ごす上では、温度だけでなく湿度管理も重要なポイントです。湿度が低すぎると、鼻や喉の粘膜が乾燥し、猫風邪や猫ヘルペスウイルス感染症などにかかりやすくなります。皮膚が乾燥してかゆくなったり、フケが出たりすることも。
一方で湿度が高すぎると、カビやダニが繁殖しやすくなり、皮膚病やアレルギーのリスクが高まります。さらに、食欲が落ちる、運動量が減るといった不調の原因にもつながります。
加湿器や除湿器を適切に使用して、湿度は50%~60%を目安に保つように心がけましょう。
3.夏場は熱中症に要注意

今年も連日、各地で真夏日や猛暑日が記録されています。人間はもちろん、室内にいる猫も熱中症対策が欠かせません。
全身に汗腺がある人間と違い、猫は主に肉球と鼻など一部にしか汗腺がありません。そのため、汗をかいて体温を下げることはあまり期待できません。扇風機による冷却があまり期待できないのも汗をあまりかかないことが関係しています。
エアコンを積極的に使用することはもちろん、遮光カーテンや冷却マットなどのグッズも取り入れて熱中症を防ぎましょう。
口を開けて「ハアハア」と浅く速い呼吸をしている、ふらついているなどの症状が出た場合には、首や脇の下などを冷やす、常温の水を少しずつ飲ませるといった応急処置が有効です。
症状が落ち着いた後も安心せず、動物病院を受診することをおすすめします。
4.さまざまな環境の部屋を用意する

室内の温度や湿度を一定に保つことに加えて大切なのは、猫が快適と感じる環境を複数用意することです。
例えば、以下のような場所を自由に行き来できるようにしておくことで、猫自身が「ちょうどいい環境」を見つけられます。
- 窓際の日当たりが良いポカポカスペース
- 冷たいフローリングのある廊下
- 毛布やクッションに囲まれたあったかスポット
- 風通しが良くてくつろげる部屋
ただし、窓を開ける際は専用の網戸を取り付ける、お風呂場の浴槽に水を張ったままにしないなどの脱走・事故防止の対策をしっかりと行うこともお忘れなく。
まとめ

猫は「ちょっと暑いな」とか「寒すぎるかも」と、感じていることを言葉で伝えることができません。
だからこそ、数字だけでなく、猫の様子をよく観察することが必要不可欠です。
さらに季節や年齢、体調なども踏まえて温度や湿度を管理してあげてくださいね。
ほんの少しの気遣いが、大切な家族の健康につながります。快適な環境づくりで、あなたと愛猫がこれからもご機嫌な毎日を一緒に過ごしていけますように。