猫の命を奪いかねない『家の中にある“凶器”』4選 事故防止の対策も

猫の命を奪いかねない『家の中にある“凶器”』4選 事故防止の対策も

猫は自由気ままに家の中を歩き回る存在ですが、人間が何気なく置いているものや使っている家電の中には、猫にとって命の危険をもたらす“凶器”が潜んでいることがあります。そこで今回は、家の中にある危険なものと、その対策について解説いたします。愛猫の命を守るため、ぜひ最後までお読みください。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.コード類・コンセントタップ

充電コードに噛みつく子ねこ

電気コードやコンセントタップは、猫にとって危険なものと言えます。特に子猫や好奇心旺盛な猫は、電気コードをおもちゃとしてイタズラをすることもしばしば。

もしコードを噛むと感電したり、口の中に火傷を負ったり、危険な状況にもなりかねません。

また、コンセントタップも同様に危険で、たとえば猫が濡れた手で触ったり、コンセントタップの穴に爪や舌を入れたりしてしまうことで、感電事故につながる危険もあるのでしょう。

とくにパソコンやテレビの配線が集中している場所、延長コードが床を這っている場所、充電器のコードなどは特に注意が必要です。

対策としては、コードカバーやスパイラルチューブでコードを保護し、使用していない電化製品のコードはプラグを抜いておくなどがあげられます。

2.観葉植物や切り花

花瓶に活けてあるユリ

人間の生活空間を彩る観葉植物や切り花の中には、猫にとって有毒な成分を含むものが数多く存在します。

猫は好奇心から葉っぱをかじったり、花を舐めたりすることがあり、知らず知らずのうちに毒性物質を摂取してしまう危険があるのです。

たとえば美しいユリ科の植物は、花粉、葉、茎、花、水まで、どの部分を摂取しても急性腎不全を引き起こし、短時間で死に至る危険があります。

その他にも、アロエ、ポトス、アイビー、シクラメン、アジサイなども猫にとっては危険な植物として知られています。

中毒症状は嘔吐、下痢、よだれ、元気消失、ふらつきなど多岐にわたり、摂取した量や猫の体質によって症状の程度は異なり、命に関わることも。

そのため有害植物は、猫が触れる可能性のある場所に置かないようにしてください。そしてもし猫が植物を口にした形跡があったり、体調に異変が見られたりした場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

3.キッチンまわりの調理器具・洗剤

キッチンのシンクの縁を歩く猫

キッチンは食事の準備をする場所であり、猫にとって「魅力的な場所」。非常に危険なエリアです。とくに熱を持った調理器具や鋭利な刃物、そしてさまざまな種類の洗剤は、猫の命を脅かす「凶器」となりえます。

たとえば調理中のコンロやオーブンに猫が触れてしまい火傷を負ったり、フォークや串などの鋭利な調理器具が猫の遊び道具になってしまい、思わぬ怪我につながる可能性もあります。

さらに食器用洗剤、漂白剤、クレンザーなどの化学洗剤は、猫が誤って舐めたり飲んだりすると、中毒症状を引き起こす危険も。

こういった危険から猫を守るためにも、調理中は猫をキッチンに入れない、あるいはゲートなどで仕切るなどの対策を行いましょう。

また使用済みの調理器具はすぐに片付け、洗剤類は猫が開けられない場所に保管するなど、徹底した管理を心がけるのも忘れずに。

4.誤飲のおそれがある小物類

ヒモにかじりつく猫

人間の身の回りには、猫が誤って飲み込んでしまいかねない小物がたくさん存在します。

たとえば針、糸、ボタン、ヘアゴム、ピアスやネックレスなどのアクセサリー、ビニール袋の破片、そして小さなおもちゃの部品などは、猫が誤って飲み込んでしまうと、消化管に詰まったり、消化器を傷つけたりする危険性があるでしょう。

とくに糸やヘアゴムなどの細長いものは、腸に絡まり、腸を傷つけるため開腹手術が必要となるケースも少なくありません。

また電池や薬なども、中毒症状を引き起こす非常に危険な誤飲物です。たとえば鎮痛消炎剤のロキソプロフェンなどは、猫が摂取すると腎不全を引き起こすといわれています。

こうした事故を防ぐためにも、猫の行動範囲には危険なアイテムを一切置かないようにしましょう。

使用後は必ず引き出しや戸棚の中にしまい、床に落ちている小さなゴミや糸くずなどもこまめに片付ける習慣をつけて、愛猫の命を守ってください。食べてしまった可能性があるとわかったらすぐに受診するよう心がけましょう。

まとめ

家のテーブルの上でくつろぐ猫

猫が自らの危険を避けるのは限界があり、最終的に愛猫を守るのは飼い主の環境整備と知識です。ぜひ今回の記事を参考に、家の中を改めて見直して、猫の目線で“危険なもの”がないか確認しましょう。

家のなかの“凶器”たちは、人間にとっては当たり前の存在でも、猫にとっては命を脅かす存在となりかねます。

日頃からの気配りと対策で、猫との安全な暮らしを守りましょう。

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