猫が一度かかると一生の付き合いになる『不治の病』とは

1.慢性腎臓病
シニア猫にとって最も身近な不治の病が「慢性腎臓病」です。腎臓は老廃物を体の外に出すフィルターのような役割をしていますが、一度壊れると再生しません。水をたくさん飲んだり、おしっこが増えるなどのサインを見逃さないことが大切です。
腎臓病は高齢猫の半数以上がかかるともいわれており、進行すると食欲不振や吐き気が出て、命に関わります。「歳だから仕方ない」と見過ごさず、定期的な血液検査で早期発見を心がけましょう。
2.猫エイズ(FIV)
猫の不治の病といえば「猫エイズ」が有名です。正式には「猫免疫不全ウイルス感染症」といい、名前の通りウイルスが免疫をじわじわと弱らせていく病気です。
症状がすぐに出るわけではありませんが、進行すると風邪が治りにくくなったり、口内炎や体重減少が見られます。
人間にはうつりませんが、外猫とのケンカや交尾などで感染することがあり、外に出る猫は要注意です。たとえば、外でケンカしてきた猫が帰ってきたら、思わぬリスクを持ち帰ってくることもあります。
3.猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
次に紹介するのは、「猫白血病」と呼ばれるウイルス感染症です。白血病と聞くと人間の病気を連想しますが、猫でも深刻な病です。感染すると貧血や発熱などが見られ、命に関わります。
このウイルスも猫同士の接触でうつるため、野良猫との接触が多い猫は注意が必要です。「家の中だけで飼っているから大丈夫」と思っていても、保護猫を新たに迎えたときなどにうつるケースがあります。初めて会わせるときは、事前のウイルス検査を欠かさないことが大切です。
不治の病の予防法はある?

これらの不治の病には「ワクチン」や「完全室内飼い」などである程度の予防が可能です。猫エイズや猫白血病は感染症なので、ワクチン接種を行うこと、外猫との接触を避けることが重要になります。
慢性腎臓病は生活習慣病に近く、若いうちから水分摂取を意識した食事や環境、定期健診が予防につながる可能性があります。
たとえば、流れる水が好きな猫のために「自動給水器」を活用したり、新鮮なお水をこまめに取り替えたりして猫が水分補給しやすい環境を作りましょう。
ご褒美のおやつやドライフードのトッピングとして「ウェットフード」を活用するのもおすすめです。日々のちょっとした工夫が、未来の健康につながります。
まとめ

猫が一度かかると一生つき合うことになる不治の病は、確かに怖い存在です。でも、きちんと知って予防し、早期に対処すれば、防げることもたくさんあるんです。
大切なのは「知っておくこと」と「備えておくこと」。普段の食事や通院、小さなサインに気づいてあげることで、愛猫との毎日は穏やかになります。病気を怖がるよりも、できることの積み重ねをして、病気の予防につなげていきましょう。