猫の『リンクスティップ』ってなに?

リンクスティップとは、猫の耳の「先端」に生えている毛のことです。日本では「房毛(ふさげ)」とも呼ばれ、ピンと上向きに生えているのが特徴です。
少しややこしいのですが、耳の「なか」にある毛には「タフト」という別の名称がついていて、異物が入るのを防ぐ役割があります。
生えている場所によって名称も異なる、猫の耳まわりの被毛。
ここからは、リンクスティップにまつわる役割やよく見られる猫種など、4つの豆知識をご紹介していきます。
『リンクスティップ』にまつわる4つの豆知識

1.アンテナのような役割を果たす
リンクスティップは、ただの飾りではありません。風や音を敏感に察知するアンテナのような役割があり、狩りのシーンなどで重宝します。
「うちの猫にはリンクスティップが見当たらない…!」と心配な飼い主さんも、どうぞご安心ください。
そもそも猫は、聴覚の優れた生き物。人には聞き取れない音域を聞き取ることができ、耳も自由自在に操って、音の出ている場所を正しく把握できます。
リンクスティップがあってもなくても、猫の聞く力は、私たち人間をはるかに上回っているのです。
2.ヤマネコの耳毛という意味を持つ
リンクスティップは、英語では「lynx tips」とつづられ、「ヤマネコの耳毛」という意味があります。
ここでいう「lynx(リンクス)」とは、ユーラシアオオヤマネコやボブキャットなど、オオヤマネコ系を指す言葉です。
オオヤマネコたちは、耳先に細く長い毛が生えているという共通の特徴を持ち、リンクスティップの由来になっています。
ちなみに、オオヤマネコ以外には「カラカル」というネコ科動物でも、同じように立派な耳毛が見られます。
3.大型の長毛種に見られることが多い
リンクスティップは、短毛種や雑種の猫より「大型の長毛種」に多く見られます。
例えば、メインクーンやノルウェージャンフォレストキャットといった猫種は、体全体がふさふさの被毛に包まれており、耳の先端の毛まで存在感を放っています。
野性味も感じられる雰囲気が魅力的な一方で、被毛のトラブルには注意が必要です。毛が絡まりやすかったり、毛玉ができやすかったりするため、定期的なブラッシングで快適さを保ちましょう。
4.自分の顔を大きく見せる効果がある
リンクスティップが生えていることによって、自分の顔を大きく見せる効果があります。
猫にとって顔の大きさは、強さの象徴。諸説ありますが、縄張りや恋を巡る争いにおいても、顔が大きい方が優位と言われています。たくましさや威厳を感じさせる見た目が、メス猫にとって魅力的に映りやすいのだとか。
リンクスティップをはじめ、耳まわりの被毛は猫にとって大切な特徴の1つですので、カットしないようにしましょう。
まとめ

猫のリンクスティップとは、猫の耳の先端に生えている毛のことで、「ヤマネコの耳毛」という意味があります。
見た目のゴージャスさだけではなく、狩りのシーンでも重宝し、アンテナ的な役割を果たしています。主に大型の長毛種の猫に見られますが、短毛種や雑種の猫にも存在する場合もあります。
また、猫の世界では、顔の大きさが強さの象徴になるため、リンクスティップは顔の印象づくりにも一役買っているようです。
猫の耳先に残る、野生の名残。そんな小さな特徴に、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか?