猫を愛でながらできる『お顔まわりの健康チェック』3選 見るべきポイントを解説

猫を愛でながらできる『お顔まわりの健康チェック』3選 見るべきポイントを解説

猫をなでている時間って、とっても幸せですよね。実は、その「なでなでタイム」は健康観察のチャンスでもあります。今回は、目や耳、口といった顔まわりに注目して、不調を見抜くポイントをご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.目のチェックポイント

上を見る猫

猫の目は感情や体調がよくあらわれるパーツです。目の周りを優しく軽くなでながら、左右の目の状態を見て、異変がないかチェックしましょう。

目ヤニの量

乾いた少量の目ヤニは問題ありませんが、ドロッとしたり黄緑色っぽかったり、量が多かったりする場合は、結膜炎やヘルペスウイルスへの感染などの病気の可能性があります。

白目や黒目に異常はないか

白目が赤く充血したり、目の表面や中の色が白や緑などいつもと違うように見えるときには、ブドウ膜炎や緑内障などが疑われます。白内障を発症しているサインとして、黒目が白く濁ることもあります。

片目だけ細めている・目をこすっている

ゴミや異物が入ってしまって、痛みや違和感から目を気にすることがあります。また、緑内障、角膜潰瘍、角膜炎や結膜炎といった病気が原因でこうした行動をとることも考えられます。

2.耳のチェックポイント

耳掃除をされる猫

耳の付け根を優しくマッサージするようになでつつ、耳の内側を軽くのぞきましょう。無理に耳の奥まで見る必要はありませんが、いつもと違う様子がないかしっかりと確認を。

耳の内側はきれいか

健康な猫の耳の中はほぼ白に近い薄いピンク色です。黒っぽい耳垢が大量に溜まっている場合は、猫がかかりやすい耳ダニという感染症の可能性があります。外耳炎などで皮脂の分泌が増えると、ベージュや黄土色の耳垢になることもあります。

赤くなったり、腫れたりしていないか

体温の上昇や緊張・興奮から耳が赤くなることがあります。ただ、長引いたり、腫れたりしているようであれば、外耳炎やアレルギーといった病気を疑いましょう。

耳を振る、しきりにかく

毛が生え変わる時期や耳に何か入ったときなど、一時的に耳をかゆがることはあります。しかし、しきりにかいたり、耳を振ったりするときは耳ダニや皮膚炎などの場合があります。

3.口のチェックポイント

口を開ける猫

あごの下やほっぺをマッサージするついでに、口の様子をチェックすることもお忘れなく。嫌がらない範囲で唇をめくり、歯や歯茎もしっかりと見るとよいでしょう。

口臭が強くないか

腐ったようなにおいや口臭が強い場合は、歯周病や口内炎の可能性があります。また、腎不全や糖尿病などの内臓の疾患、猫エイズなどの感染症が原因のケースも考えられます。

よだれを垂らしていないか

よだれの多さが気になるようであれば、歯肉炎や口内炎などの疾患を疑いましょう。そのほか、胃や腎臓の不調、異物・危険物の誤食などのトラブルを抱えている場合もあります。

歯と歯茎の色

多くの成猫がかかるといわれているのが歯周病です。歯茎が赤く腫れている、歯がぐらついているなどの症状が出たら要注意です。

まとめ

猫をなでる人

猫との触れ合いは飼い主にとっての癒しの時間であることはもちろん、「いつもと様子が違うな」と異変や病気に気づけるタイミングでもあります。

特に、目や耳などの顔まわりは体の不調が現れやすい場所がたくさんあります。猫がリラックスしているときに、スキンシップをとったり、なでたりしながら健康チェックをしてみてくださいね。そして、気になることがあれば早めに動物病院に相談しましょう。

猫ともっと仲良くなって、猫がもっと元気に過ごすために―。今日も素敵な「なでなでタイム」が過ごせますように!

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