『体を伸ばしながら歩く』のはなぜ?

寝起きに“んんー!”と伸びてから歩き出したり、まるでほふく前進をするように伸びながら歩く猫に出くわしたことはないでしょうか。
とても気持ちよさそうですが、やはり心地よいものなのでしょうか?それとも他に理由があるのでしょうか?
ここでは、猫が『体を伸ばしながら歩く』理由を5つ紹介いたします。
1.スムーズに動くための『準備運動』

猫が起きがけに体を伸ばし、それから歩き出す目的は『準備運動』です。具体的にどのような効果が得られるのかを詳しく見てみましょう。
- 固まった関節や筋肉がほぐれる
- 全身の血流が良くなりやる気スイッチが入る
野生の猫が眠りから覚めてやることは狩りです。体の柔軟性を整え、効率よく捕獲するための戦略を立てなければなりません。
家猫も本能的に準備運動をすることで、スムーズに動けることを知っています。『ふぁ〜よく寝た』と言わんばかりに、あくびがセットになっていることもよくあります。
2.足腰のメンテナンスをしている

時々、歩いている最中に後ろ足だけをピーンと伸ばすことがあるでしょう。これは足腰のメンテナンスをしている仕草です。
猫は後ろ足の脚力を持ってジャンプしたり、素早く走ります。着地の際に重要なのも後ろ足です。日常生活のあらゆる場面において重要なパーツになるので、動きをチェックすることは必要不可欠なのでしょう。
飼い主さんもそっと観察し、動きに異常がないか見てあげてください。
3.気持ちを切り替える『リセット』

先ほどの準備運動とは別に、気持ちを切り替えたい時にも伸びをします。
猫の場合は叱られたときも、あくびと同時にぐぅーっと伸びをして立ち去るということがよくあります。
これは不安や緊張感からの解放をあらわす仕草で、ある種の反省の意味も込められています。注意を促した直後にこの行動が見られたら、一旦叱ることをやめましょう。
悪態をついていると誤解し、そのまま叱り続けるとストレスだけが残ってしまいます。
4.構ってアピールをしている

冒頭で紹介したほふく前進や、横に伸びながら動く動作、ヘソ天をしながら伸びるという仕草には『構ってほしい』という気持ちが込められています。
この動作をしている最中に咄嗟に逃げ出すことが困難なことから、信頼している相手にのみ見せるものだと、うかがい知ることができるでしょう。
飼い主さんへの愛情表現でもあるので、「可愛いね」と褒めながら撫でたり、遊びに付き合ってあげると喜びます。
5."すかしっぺ"をしている説も

後ろ足のメンテナンスや伸びの最中にしっぽを上げていたら"オナラ(すかしっぺ)"をしている可能性もあるようです。
体を伸ばすことで胃腸の動きが活発になり、ガスが抜けやすくなるのでしょう。犬は時々『プゥ』という音を立ててオナラをすることがありますが、猫はあまり目立ちません。
もし本当にすかしっぺをしているとしたら、音を漏らすことなくガスを放出する達人なのでしょう。ガス抜きのタイミングが難しい"人"にとっては、羨ましいスキルです。
まとめ

見ていて心地よさそうな伸びのポーズ。寝起きや足のメンテナンスにおいては、実際に気持ち良いと感じているでしょう。凝り固まった体がほぐれ、全身に血液が行き渡るのですから。
そしてこの行動は、健康チェックや維持に役立っています。時にはついでにオナラをしてしまうこともあるのかもしれませんね。
また、緊張感が漂う場面では『ソワソワする』『リセットしたい』という気持ちが働いています。実際に気持ちが切り替わるようですが、それなりにストレスを抱えていることも忘れてはなりません。
お説教はほどほどに。シンプルに『ダメ!』『危ない』などと的確に伝えて終わりにするように心がけると効果的です。
今回は、『なぜ体を伸ばしながら歩くのか』について紹介いたしました。そこには猫なりの深いわけが潜んでいましたね。真相を知った後に見てみると、違った視点で面白い必見があるかもしれません。