1. 安心してリラックスしている

猫は警戒心が強い動物ですが、落ち着ける場所やお気に入りの場所など、自分のテリトリーで安心している時には「フ~」と鼻から深く息を吐くことがあります。
このため息は、人間がほっとして息をつくような感覚に近いもの。特に飼い主のそばでまったりしている時や、寝ようとしている時などに見られる行動です。
体の緊張が解けて深呼吸することで副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態を保ちます。リラックスによるため息はむしろストレスが少ないことの表れであり良い兆候なので、心配しなくても良いでしょう。
2. 軽いストレスや不満を感じている

猫はちょっとした不満やストレスを、「フンッ」「フンフン」というため息で表すことがあります。たとえば、構ってほしいのに無視された、遊びたかったのにタイミングを逃した、何か失敗してしまったといった場面で見られるため息です。
猫はストレスを感じると、ため息や毛づくろい、爪とぎといった「転位行動」を取って気を紛らわし、気持ちを落ち着けようとします。人間でいえば、小さなため息で自分を落ち着けるときのような状態です。
もしも頻繁に見られるようであれば、ストレスの原因を見直してあげることが大切です。ちょっとした気配りで愛猫の気持ちは大きく変わります。
3. 体調がすぐれないサインである可能性も

猫のため息があまりにも頻繁だったり、生活の中でいつもと違う様子を見せたりする場合は、体調不良のサインである可能性もあります。
特に、以下のような症状が伴う場合は注意が必要です。
- 食欲がない
- 元気がない
- 呼吸が浅い
- 呼吸が早い
ため息のように見える深い呼吸が、実は呼吸困難の一種であるケースもあります。愛猫の様子に気になる変化があるときは、早めに動物病院を受診しましょう。日ごろから愛猫の呼吸や表情の変化をよく観察しておくことが早期発見につながります。
飼い主の注意深い目が、命を守る鍵となるのです。
「ため息=落ち込んでいる」とは限らない

人間の感覚では「ため息=落ち込み」と考えがちですが、猫の場合は必ずしもそうとは限りません。
猫は感情を言葉で伝えられないため、呼吸や仕草、表情で気持ちを表現しています。何気ないため息一つを取っても、リラックスやストレス、体調の変化など、複数の要因が考えられるのです。
猫は思考よりも本能で行動する動物なので、人間のように「憂うつ」「希望がない」といった精神的な落ち込みとは異なる反応を見せます。ため息だけで元気がないと決めつけるのではなく、食欲や振る舞いなど全体の様子を見て判断することが重要です。
まとめ

愛猫がため息をついているとどうしても心配になってしまいますが、猫がため息をつく姿にはさまざまな意味が込められています。
その意味は、必ずしもネガティブな気持ちだけではありません。安心していたり、少しの不満を表していたり、あるいは体調の変化を知らせていることもあるでしょう。
飼い主がサインを正しく読み取ることは愛猫との信頼関係を深めます。「気づいてくれてありがとう」という猫の気持ちは、ちょっとした態度や行動の変化としてきっと返ってくるはず。
猫の気持ちに寄り添うことは、より豊かな時間を共有するための大切なカギですので、今日から愛猫の「はぁ〜」を見逃さずにやさしく寄り添ってあげてください。