猫の『ブラッシング』サボるとどうなる?起こり得る5つのトラブル

猫の『ブラッシング』サボるとどうなる?起こり得る5つのトラブル

「猫が嫌がるから…」という遠慮もあって、ブラッシングをつい後回しにしていませんか?しかし、定期的なお手入れを怠ってしまうと、猫にも飼い主さんにも思わぬトラブルが起こり得ます。本記事では、そんなトラブルを5つ解説していきますので、ブラッシングの大切さを一緒に見直していきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に起こり得るトラブル3つ

皮膚にトラブルを抱えた猫

1.皮膚炎になる

猫は自分自身で毛づくろいする習慣はあるものの、換毛期にはお手入れが追いつかなかったり、加齢によりうまくグルーミングができなくなったりすることもあります。

こうして毛づくろい不足が続くと、不衛生な状態から「皮膚炎」を引き起こすことがあります。

かゆみや発疹、毛のべたつきといった皮膚のトラブルが起こる前に、日々のブラッシングは欠かさずに行いましょう。

2.毛球症になる

猫が毛づくろいのときに飲み込んだ抜け毛は、少しの量であれば、排泄物となって体外に出ていきます。

しかし飼い主さんがブラッシングを怠ると、毛づくろいの際に飲み込む抜け毛が増えやすくなり、胃や腸に毛球が蓄積してしまうかもしれません。

これが「毛球症」という病気で、嘔吐や食欲低下の症状も現れます。

嘔吐を繰り返しても毛球が排出されないときは、投薬やもし詰まってしまった場合は外科手術が必要になる場合も考えられるため、そうなる前に予防することが大切です。

3.毛がもつれて痛みが生じる

ブラッシングが不十分だと毛がもつれ、フェルトのような毛玉ができます。毛玉をほぐそうとすると、毛が引っ張られて痛みが生じ、猫を不快な気持ちにさせてしまいます。

さらに皮膚が裂けてしまうリスクもあるため、被毛の状態によっては無理をせず、動物病院に相談することをおすすめします。

特に長毛種の猫は毛玉ができやすいとされています。毎日少しの時間でもよいので、ブラッシングの時間を設け、トラブルを未然に防ぎましょう。

飼い主さんに起こり得るトラブル2つ

猫と散らかった抜け毛

4.抜け毛掃除が大変になる

掃除の手間を減らすためにも、丁寧なブラッシングを心がけたいものです。換毛期にブラッシングを後回しにしてしまうと、あっという間に抜け毛だらけになってしまいます。

もしブラッシングが苦手な猫であれば、リラックスしているときを狙うか、おやつでご褒美を与えながらお手入れするとよいでしょう。

ただし、皮膚が見えるほど抜け毛が目立っている場合には、猫の健康に問題が起きていることも考えられるため、見過ごさないようにしてください。

5.猫アレルギーにかかる・アレルギー症状が悪化する

「猫アレルギー」は、ある日突然発症することがあります。

もしくは、飼い主さんのなかには、軽度の猫アレルギーを抱えていながらも、猫と一緒に暮らす選択をしている場合もあるでしょう。

抜け毛には、猫アレルギーを引き起こす「Fel d 1」というアレルゲンが含まれています。アレルゲンを室内に広げないためにも、原因となる抜け毛は率先して取り除いてください。

掃除機や空気清浄機も併用すると、より効果的にアレルゲン拡散を抑えることができるでしょう。

まとめ

気持ちよさそうにブラッシングをされる猫

猫のブラッシングを怠ってしまうと、猫と飼い主さん双方に、さまざまなトラブルが起きやすくなります。

猫は皮膚炎や毛球症にかかる恐れがあり、フェルトのような毛玉ができてしまうと、ブラッシングも一層困難になります。

一方で飼い主さんにとっては、猫アレルギーの発症や悪化につながる可能性があります。さらに住まいを衛生的に保ち、掃除の負担を減らすためにも、お手入れは大切です。

とはいえ、ブラッシングが苦手な猫も多いものです。決して猫に無理をさせてはいけませんが、タイミングなどを工夫しながら少しずつお手入れをし、お互いの健康を守りましょう。

スポンサーリンク