1.スリスリが止まらない

ライトな「ちょっかい」と言えば、おなじみの「スリスリ」です。猫は、自分の顔まわりや頭を飼い主さんの身体に匂いづけすることで、「この素敵な人は、ワシのもの!」とオーナー宣言します。縄張り意識の強い猫ならではの習慣です。
「スリスリ」は、たんに親愛の気持ちを表すだけでなく、ほとんどの場合、何らかの要求が含まれています。いちばんありがちなのは、「ごはんちょうだい!」。飼い主さんが家事などで慌ただしく、ごはんをなかなか準備できないときによく見られる行動です。
もし飼い主さんが愛猫から何度も「スリスリ」されたら、きっと何か叶えて欲しいお願いごとがあるはずです。状況や文脈と照らし合わせて、愛猫出題のかわいらしい「なぞなぞ」に答えてください。見事に正解を言い当てると、愛猫からの信頼感もよりいっそう増します。
「スリスリ」は無害どころか、飼い主さんの心を満たす行動です。よっぽど忙しいときでない限り、思いっきり「スリスリ」させてあげましょう。
2.ゴロゴロとクネクネ

猫好きさん界隈では、たとえば、廊下で愛猫が横たわっている姿を、「猫が落ちている」と表現します。ただ落ちているだけでひたすらかわいいのに、プラスアルファで、身体を妙にクネクネさせることがあります。
猫が横たわって、お腹を堂々とさらすのは、飼い主さんを全面的に信頼している証拠です。言うまでもなく、お腹は猫にとって急所であり、敵に狙われたら致命傷。いつも厳重に守っている部位です。
独自のセキュリティシステムを全開放(ヘソ天)してまで、愛猫が飼い主さんに訴えたいのは、「かまってよ!」という気持ちです。掃除や洗濯などで慌ただしいのに、廊下でゴロゴロ&クネクネを繰り返しては、「なでなで」を要求してきます。
この行動に関しても、自分の妖しい魅力で飼い主さんを翻弄したい、というよりも、「掃除とか、洗濯とか、全部後回しにして、とにかく、撫でよ!」という命令です。行動の背景には、やはり、飼い主さんへの好意があふれています。
たとえば、キッチンからお風呂場へ移動する際、愛猫が廊下に落ちていたら、飼い主さんは少し立ち止まって、ササッと愛猫を撫でてあげてください。「見つけてくれた!」という気持ちになって、愛猫もうれしくなります。
3.邪魔し放題

猫の「ちょっかい」で外せないのは、飼い主さんへの大胆不敵な「邪魔」です。邪魔されるのは苦手なはずなのに、どういうわけか、猫は飼い主さんを邪魔したがります。
最も「ちょっかい」が問題化するのは、飼い主さんの在宅ワーク中です。
締め切りが迫って忙しいときに限って、なぜ愛猫はパソコン前でロングステイするのか―とりわけ、甘えん坊な愛猫と暮らす飼い主さんにとっては、ありふれた日常風景かもしれません。愛猫のどっしりボディのせいで画面がふさがり、キーボードも一切叩けない危機的状況です。
愛猫がつい邪魔してしまうのは、飼い主さんにかまって欲しいからです。仕事という名の恋敵が現れて、飼い主さんを奪われたような気持ちになっているのでしょうか。
愛猫からの再三の居座り行動(邪魔)は、飼い主さんをからかっているわけでもなければ、困難に打ち勝つ不動心を試しているわけでもありません。たんに、飼い主さんの関心を一身に集めたいだけです。
こってり邪魔されても、飼い主さんの多くは、愛猫のかわいさについ微笑んでしまうはずです。実は、飼い主さんもまた、心の底では、仕事よりも愛猫にかまってもらいたい、と願っているからかもしれません。
まとめ

猫の「ちょっかい」の多くには、飼い主さんを振り向かせたい、という要望が込められています。
具体例として、今回は、「スリスリ」「ゴロクネ(ゴロゴロ&クネクネ)」「ジャマ」の3つを取り上げました。どれも飼い主さんにかまってもらいたいゆえの行動と言えます。
愛猫の「ちょっかい」は、飼い主さんの日常を心地よく刺激するスパイスです。これからも適度に「ちょっかい」光線を浴びながら、愛猫と楽しく暮らしてみてください。