猫の『顔つき』は生活環境で変わる!猫の見た目に影響を与える要因4選

猫の『顔つき』は生活環境で変わる!猫の見た目に影響を与える要因4選

猫の顔は、人間にとって非常に魅力的なものです。丸い目、小さな鼻、そして愛らしい口元は、見ているだけで心が癒されます。しかし猫の顔つきというのは、生まれつきの特徴だけでなく、日々の生活環境によっても変化するのをご存知でしょうか?今回はそんな猫の顔つきに影響を与える要因について詳しく解説していきます。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.栄養状態と食事内容

イケメンの茶トラ

猫の顔つきに影響を与える要因の一つが、日々の食事と栄養状態です。栄養バランスのとれた食事を摂取している猫は、健康的な体型を維持し、毛艶も良く、目の輝きもあります。

一方、栄養が偏っていたり、過剰摂取や栄養不足の状態や全身状態の悪化が続くと、顔つきにも変化があらわれます。

たとえば肥満気味の猫は顔が丸みを帯び、頬がふっくらとしていますが、栄養不足や病気などで痩せている猫は、頬がこけて骨格が目立ち、目が大きく見えることがあります。

2.ストレスと環境変化

緊張した面持ちの猫

猫の顔つきを変化させる2つ目の大きな要因は、日々のストレスレベルと環境の変化です。

猫は非常にストレスに敏感な動物であり、環境の変化やストレスは直接的に顔の表情や全体的な外見に影響します。

たとえば慢性的なストレス下にある猫は、緊張した表情になりやすく、目が警戒心から大きく開いて顔の筋肉が緊張し、全体的に硬い印象を与えがち。

とくに分かりやすいのは目の状態です。緊張感が薄い猫はゆっくりとまばたきをし、目は半開きになる一方、ストレスを感じている猫は目を見開き、瞳孔が拡大していることが多いです。

環境変化による一時的なストレスとしては、引っ越しや家族構成の変化などが挙げられます。このような状況下では警戒心から表情が硬くなり、目つきが鋭くなる子が多いのです。

慢性的なストレスは猫の健康状態全体に影響を与え、体重減少や栄養不良の原因となり、顔がやつれた印象になります。

3.飼い主との関係性

うっとり甘える猫

猫の顔つきに影響を与える3つ目の要因は、飼い主との関係性です。猫と飼い主の間に築かれた信頼関係や絆の深さは、猫の表情や仕草に如実にあらわれます。

信頼関係が築かれた猫は、飼い主の前でリラックスした表情を見せ、目をゆっくりと細めるなど、全体的に穏やかな印象を与えます。

一方で過去にネグレクトや虐待を経験した猫、または人間との接触が少なかった猫は、表情が硬く、常に警戒心を持った目つきをしていることが多いです。

ただしこのような猫も、時間をかけて信頼関係を築くことで、徐々に表情が柔らかくなり、リラックスした顔つきに変化していくケースもあります。

猫はツンデレでマイペースというイメージを持たれやすいですが、実は飼い主との絆を大切にする動物。飼い主との絆が深まるほど、猫の顔つきは柔らかく、表情豊かになっていくのです。

4.健康状態と年齢

年を取った猫

猫の顔つきに大きな影響を与える4つ目の要因は、健康状態と年齢です。

健康な猫は目が澄んでいて輝き、鼻は適度に湿っており、顔全体にハリと活力が感じられます。

一方体調を崩している猫は、目に力がなく、鼻が乾燥していたり、全体的に疲れた印象を与えがち。

年齢による変化も目立ちます。子猫から成猫へと成長する過程で、顔の骨格が発達し、子猫特有の丸みを帯びた顔から、より角張った成猫らしい顔つきへと変わっていきます。

またシニア期に入ると、顔の筋肉が衰え、皮膚の弾力性が低下することで年齢相応の変化があらわれます。特に目の周りや被毛の変化は、猫の表情を大きく変えるでしょう。

まとめ

不機嫌そうな青い瞳の猫

猫の顔つきは今回紹介したように、さまざまな要因によって形作られています。つまり猫の顔つきは、その猫の生活・健康全体を映し出す鏡のようなものだと言えるでしょう。

「最近、顔が優しくなった」「ちょっと険しくなったかも?」という変化に気づいたら、それが猫からのメッセージである可能性も…!?

体調の変化などにも併せて判断していただけたらと思います。

今日からぜひ、愛猫の顔つきをじっくり観察してみてください。そこには、言葉にできない多くの「ヒミツ」が隠れているかもしれません。

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