春から夏にかけて起きる『猫の変化』とは?

1.暑さで食欲が落ちる
気温が上がると、猫も人間と同じように「だるさ」や「ストレス」を感じることがあります。その結果、いつもより食欲が落ちて食べる量が少なくなります。
たとえば、室温が猫にとって快適な温度でも、直射日光が当たる場所が猫の食事スペースになっていたとしたら暑さによるストレスから食欲が落ちることもあります。
「フードを残す」「ごはんの時間になっても来ない」といった変化が見られたら、涼しい場所を確保してあげたり、食器の位置を見直すのがおすすめです。
置き餌にしている場合、フードの劣化による風味の変化が原因の場合もあります。与え方にも工夫すると良いでしょう。
2.毛の生え変わりで「抜け毛」が増える
猫は春先に冬毛から夏毛へと衣替えする「換毛期(かんもうき)」に入ることが多いです。その場合は抜け毛の量が一気に増えるのが特徴で、暑さに備えて、もふもふの毛を手放します。
この時期は、抜けた毛をそのままにすると、毛づくろいで飲み込んだ「毛玉」が胃にたまり、吐きやすくなったり、食欲が落ちたりするため注意が必要です。
毎日のブラッシングがとても重要になりますので、とくに長毛種の猫は念入りにケアをしてあげましょう。
普段あまり行わずに、一日しっかり行う日を決めるスタイルだとすでにもつれができていて、ブラッシングの際に痛がることもあります。短時間でも良いので、日常的に行うことが大切です。
3.温度調節を行うため寝る場所が変わる
春から夏にかけては温度調節をするために、猫が寝る場所を変えることがあります。
以前は布団の中や膝の上で寝ていたのに、急にフローリングの上や風通しの良い場所を好むようになったら、「暑いから涼しい場所に移動している」可能性があります。
猫は自分の快適な場所を本能的に選ぶため、「体感温度の変化」に気づいているのかもしれません。いつもとは異なる場所に寝床が変わったら「冷房を使うタイミングの目安」として参考にしましょう。
あまり変化がわかりづらかったら、猫が普段いる場所に温度計や湿度計を置いて変化が見えやすくすることも良いと思います。
季節の変わり目に気をつけたいこと

環境の変化が敏感な猫にとって、春から夏にかけての気温や湿度の上昇は人が思っている以上に負担がかかります。体調を崩しやすい時期ですので、些細な行動の変化を見逃さないようにしましょう。
とくに高齢の猫や持病がある子は、少しの不調が大きなトラブルにつながることもあるため、早めに病院を受診することが大切です。
季節の変わり目が近づいてきたら、猫が元気なうちから気にかけてあげましょう。部屋の温度や湿度を定期的にチェックしたり、ブラッシングの数を増やしたりして、先回りで快適な環境に整えておきたいですね。
まとめ

春から夏は、猫にとって小さな変化の季節です。
「食欲が落ちる」「抜け毛が増える」「寝る場所が変わった」といったような変化は、身体的なものだけでなく、心理的なストレスとも深く関係しています。
猫の心と体を守るためにも、愛猫の様子をよく観察して「いつもと違う点」を早急に気づいてあげましょう。
飼い主さんが少し手をかけてあげるだけで、猫は快適に過ごすことができ、信頼関係もぐっと深めてくれます。
季節を一緒に乗り越えるパートナーとして、今年の夏も心地よく過ごしていきたいですね。