甘えん坊、ツンデレ…猫の『性格』はどうやって決まる?考えられる3つの要素

甘えん坊、ツンデレ…猫の『性格』はどうやって決まる?考えられる3つの要素

猫の一般的なイメージは「ツンデレ」ですが、いったい猫の性格はどのように形成されるのでしょうか?今回は、3つの観点からそのプロセスを読み解いていきます。みなさんの愛猫をより良く理解するためのテキストにしてみてください。

1.父猫が社交的な性格かどうか

父猫っぽい猫と子猫

人間の場合は、父親と母親、それぞれの要素を受け継いで、性格が決まってきます。一方、猫の場合、性格形成の鍵を握るのが、父猫の性格です。母猫と比べて父猫のほうが遺伝的により強い影響力を持っています。

たとえば、保護猫のケースで考えてみると、人に対して物怖じせず、フランクに付き合える猫は、父猫の社交的な性格を引き継いでいる可能性があります。反対に、怖がりで人慣れしていない子は、父猫もまた、同じように憶病で神経質だったのかもしれません。

猫の特徴的な性格を表すうえで、「ツンデレ」という言葉がありますが、なかには、「ツン」をどこかに捨ててしまったかのように、「デレデレ」の猫もいます。甘えん坊で人好き、初めての訪問者の膝のうえにも平気で乗る子です。

もしみなさんの愛猫が非常にフレンドリーなら、父猫から譲り受けた「人懐っこさ」というバトンのおかげかもしれません。

2.子猫期(社会化期)の過ごし方

親子猫

生後約2~7週齢までの間は、子猫の社会化期と呼ばれ、成猫として生きていくために、さまざまなことを学ぶ大切な時期です。母猫や兄弟猫との関わりを通じて、猫社会のマナー、ふるまいなどをみっちり身につけます。

この社会化期において人との接触が多いと、率先して人間と交流を図るような友好的な猫へと成長しやすくなります。前述したように、父猫が社交的な性格だった場合、さらに社交性もアップします。

一方で、性格形成で重要な社会化期に、「人との交流が欠落している」「早い段階で母猫や兄弟猫から切り離された」「人間に不快な目に遭った」などの過去があると、人間に対して警戒心が強く、心を容易に開いてくれない猫になってしまう恐れがあります。

その点では、猫も人間と同じように、子供の頃に受けた愛着レベルが、大人になってからも色濃く影響すると言っていいかもしれません。

子猫から育ててみたいと考えるみなさんは、子猫の社会化期に、無理しない範囲で愛猫にいろいろな人と遊んでもらうと、誰とでも仲良くなれるスーパー社交猫に育つはずです。

3.性別の違い

雌のバーマン

雄猫と雌猫、両方飼ったことのある飼い主さんは特に、性別の違いがそのまま性格の違いにつながっている、と感じたこともあるでしょう。

一般的な傾向として、雄猫はわかりやすいくらいに甘えん坊で、好奇心旺盛、かつ、感情表現もストレート、かまってちゃんな子が多いと言われています。

対して雌猫は、自立心が強く、自分のペースを崩しません。さらに周囲の状況を的確に読み取る力があって、イヤなことははっきり「NO!」と示す気高さを持っています。いわゆる「ツンデレ」の代表格が、この雌猫です。

本来、雄猫は、縄張り意識が高く、闘争心も強いのですが、去勢すると、だんだん攻撃的な性格も穏やかになっていきます。飼い主さんのまわりを嬉々としてつきまとう雄の愛猫は、縄張り争いの緊張感から解放されて、毎日、きっとパラダイスなのでしょう。

雌猫は、生まれつき、子猫を育てる、という本能が備わっているため、初期設定で用心深く、慎重な性格になりがち、と考えられています。ただ、みなさんの愛猫のなかには、通説を覆して、自由奔放に甘えてくる雌猫ちゃんもいるかもしれません。

まとめ

女性に甘える猫

さまざまな子たちと関われば関わるほど、猫にもさまざまな性格があることに気づくようになります。今回は、猫の性格形成の大きな決め手となる3つの要素を紹介しました。

結論から言えば、猫の「人懐っこさ」に関しては父猫の遺伝が非常に強く影響し、子猫の社会化期にどんなふうに過ごすかで、猫の性格が決まってきます。

もちろん、猫は環境に強く左右される動物なので、迎え入れ当初は攻撃的でも、飼い主さんの愛情に触れるにつれ、生まれ変わったかのように甘えん坊になるケースもあります。

猫の性格は個性そのものです。これからも愛ある眼差しで見守りながら、愛猫と幸せなひとときを過ごしてみてください。

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