猫が食べてすぐ『吐き戻し』してしまう理由4選 食べさせ方の工夫など対処法もご紹介

猫が食べてすぐ『吐き戻し』してしまう理由4選 食べさせ方の工夫など対処法もご紹介

猫が食べてすぐに「吐き戻し」するのは珍しいことではありませんが、頻度が多い場合は対処が必要です。そこで今回は、吐き戻しの理由4つと対処法をご紹介していきます。適切な対処法を取り入れ、猫の健康を守り、飼い主さんの負担も軽減していきませんか?

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

「吐き戻し」とは

猫と嘔吐物

「吐き戻し」とは、口に入れてから胃に入っていない状態の食べ物などが、消化されないまま吐き出されてしまうことです。専門用語で「吐出(としゅつ)」と呼びます。

消化されていない状態のため、その多くは原形を保った塊のように見えるでしょう。

なかには、吐いたものを食べようとする猫もいますが、胃酸などが混入しているリスクもあるため、速やかに片付けてください。

ちなみに、少しニュアンスが違う「嘔吐」は、胃に入ったものが吐き出されることで、ドロドロとしている場合があります。

吐き戻しの理由4つと対処法

ごはんを食べたがる猫

1.食べすぎ・早食い

空腹時や美味しいおやつをもらえると、つい勢いよく一気食いしてしまう猫がいます。

猫は本来、少量ずつ小分けに食べる習性があるので「食事の回数は増やし、1回に与える量は減らす」与え方に変えるのが理想的です。

また、同居猫から盗み食いされないように、自分のごはんを猛スピードで食べ切ろうとする猫もいます。食事台の距離を離すなどの対策を取り入れ、それぞれの猫が落ち着いて食べられる環境を整えてあげてください。

2.フードが合わない

猫の体質やライフステージに合わないフードが、吐き戻しの理由になる場合もあります。特に、フードを変えた直後に吐き戻しが多くなる場合は、体質に合っていない可能性が考えられます。

最近は、グレインフリー(穀物不使用)など数多くの種類がありますが、全ての猫に適しているとは限りません。また、ライフステージに合わせてフードを選ぶことも大切です。

例えば、老猫は、上手く食べ物を飲み込めずに吐き戻しすることもありますが、小さな粒のドライフードに変えると改善する場合があります。

フード選びに困ったときは、獣医師さんに相談するとよいでしょう。

3.毛玉が溜まっている

猫は、こまめにグルーミングをする習性があるため、体内に毛玉が溜まりやすくなります。もし、特定の時期だけ吐き戻しする傾向が見られるのならば、これに該当している可能性が高いかもしれません。

春と秋に訪れる猫の換毛期は、抜け毛の量が増えます。季節を問わずブラッシングは大切ですが、この期間は重点的にお手入れしてあげましょう。

特に、メインクーンなどの長毛種の猫たちは、毛玉が溜まりやすいと言われているため、飼い主さんの積極的なケアが必要です。

4.異物を食べた

飼い主さんが気づかぬうちに、誤飲してしまっているかもしれません。猫が吐き戻しした際には、異物が混じっていないかを確認してください。

誤飲が疑われるときや、判断がつかないときは、速やかに動物病院に連れていきましょう。

「吐いた後はお腹が空いているのでは?」と心配になりますが、病院の検査の妨げになるため、食事はNGです。

輪ゴムなど、普段から誤飲しやすいものは出しっぱなしにせず、密封容器や猫が手に届かない場所に収納しましょう。

まとめ

段ボールの中から顔を出す猫

猫が食べてすぐ吐き戻しをしてしまう場合は、理由を探り、適切に対処することが大切です。フードの量や回数に配慮し、その猫の体質やライフステージに合わせたフード選びをしましょう。

また、換毛期は特に毛玉が溜まりやすいため、飼い主さんが率先してブラッシングしてあげてください。

吐き戻しした様子から、誤食の可能性が少しでも疑われる場合は、速やかに動物病院に受診しましょう。

適切な対策を取り入れることで、猫も飼い主さんも健やかに暮らせる環境を整えられるでしょう。

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