猫を主人公にしたアニメ映画が受賞

画像はイメージです
アニメ界のアカデミー賞といわれる「アニー賞」。2025年は「Flow」が最優秀インディペンデント作品賞や最優秀脚本賞などを受賞しました。この作品は猫を主人公にしたアニメです。
ラトビア出身のギンツ・ジルバロディス監督による作品「Flow」は、大洪水で住んでいた森が壊滅してしまった灰色の猫が、ほかの動物と協力しながら生き延びようと懸命の努力をする物語です。この猫はカピバラ、キツネザル、鳥、犬とともに漂流してきたボートを操り、住まいとなる陸地を探していきます。
この映画にはセリフはありません。言語の違いを超えて理解できる作品です。
「セリフがないからこそ普遍的なのです。文化の境界を超越し、だれもが内容を理解できます。まさにアニメーション特有の魅力にほかなりません」と話すジルバロディス監督です。
ラトビアには多くのファンが

リガにある「猫の家」の猫の像
「Flow」の成功を何よりも喜んでいるのは、ラトビアの人々です。2025年初めには、この作品はラトビア国内の映画館で史上最多上映された映画となりました。ラトビアの観光案内ウェブサイトにも、映画の公式ページが設置されています。
首都リガ市には灰色猫の像も設置されました。この像は2025年4月まで市内の自由記念碑の前に展示され、その後は市庁舎広場に移動展示される予定になっています。従来からの観光名所である「猫の家(Cat House)」の屋根の上にいる黒猫の銅像に加え、新たな人気スポットになりそうですね。
ほかにも、街にはこの猫を模した壁画が見られます。きっとファンのだれかが描いたのでしょう。
動物が訴える「環境」と「友情」の大切さ

画像はイメージです
主人公の灰色猫は冒険好きですが、臆病でもあり、驚くとすぐイカ耳になってしまいます。この猫は、犬の群れが見ていないときに魚を盗む狡猾さと、ほかの動物に追いかけられても簡単に逃げ切れるすばやさを備えもっています。
しかしそんな猫も、あるとき洪水に襲われ、流れてきたボートに跳び乗って漂ううちに、ほかの動物たちに出会います。
人類が全滅する世界の終わりにあっても、互いに信頼し、勇気を奮い起こし、みんなの知恵を頼りにしながら生きるために協力していく彼らの姿は、地球環境のもろさとともに、友情と協働の大切さを見る人々に訴えかけてきます。
出典:
・‘Flow’ Is Now Streaming — How To Watch The Award-Winning Film At Home
・The new animated film 'Flow' is the most breathtaking cat video in history
・Latvia is full of love for the Flow kitty