猫の『免疫力が上がる』と言われる食材3選

1.肉や魚
猫の免疫力向上に役立つ食材として、肉類と魚類があげられます。これらは猫が生きていく上で欠かせない、タンパク質を豊富に含んでいる食材ですね。
とくに鶏肉は猫にとって必須なタウリンを多く含んでおり、免疫機能の維持に欠かせません。タンパク質も豊富で消化も良く、体力維持や免疫力アップにはぜひ取り入れたい食材です。
魚類では、サーモンが特におすすめです。サーモンには、免疫力を高めるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、さらに抗酸化作用のあるビタミンEやビタミンCも含まれています。
またカツオ節も良質なタンパク質源。ビタミンや不飽和脂肪酸が含まれていて、免疫力向上に効果的といえるでしょう。
2.野菜類
猫の免疫力向上に役立つ食材として、野菜類もまた重要な役割を担っています。
猫は肉食動物であるため野菜を消化する能力は限られていますが、少量(1日の摂取カロリー量の10%以内)であれば健康維持に役立つ成分を摂取できるのです。特にβ-カロテンを豊富に含む緑黄色野菜は、猫の免疫力向上に効果的。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがある成分です。皮膚や粘膜は、外部からの病原体の侵入を防ぐバリアとして機能しており、これらの組織が健康であることは猫の免疫力を高く保つ上で非常に重要といえます。
具体的な食材には、ニンジン、カボチャ、ブロッコリーなどがあります。これらの野菜を細かく刻んで、キャットフードに少量混ぜて与えてみてもいいでしょう。
また、野菜に含まれる食物繊維も猫の腸内環境を整える上で重要です。腸内には免疫細胞の多くが存在しており、腸内環境が乱れると免疫力が低下する可能性があります。
その点食物繊維は腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、便通を改善することで、腸内環境を整える効果が期待できるでしょう。
3.きのこ類
猫の免疫力向上に役立つ食材として、きのこ類もあげられます。きのこには、βグルカンという多糖類が豊富に含まれており、これが免疫細胞を活性化させる働きがあると考えられています。
βグルカンは、免疫細胞の中でも特にマクロファージやNK細胞といった細胞を活性化させる、体にとっての強い味方。これらの細胞は、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を攻撃する役割を担っており、免疫力の維持に重要な役割を果たしています。
またきのこには、ビタミンDやミネラルも豊富に含まれているのも特徴です。
ビタミンDは免疫細胞の働きを調整する効果があり、ミネラルは身体の構成要素として、またビタミンと一緒に酵素の活性化に関与するなど、免疫機能の維持にひと役かう栄養素です。
猫が食べられるキノコ類にはシイタケ、マイタケ、エノキタケ、ブナシメジなどがあげられます。
猫に食材を与えるときの注意点

猫に免疫力を高める食材を与える際の注意点は、次の通りです。
量と頻度に気をつける
まず、食材の量と頻度に気をつけましょう。いくら免疫力を高める効果がある食材でも、与えすぎは逆効果になる恐れがあります。特に新しい食材を与える際は、少量から始めて様子を見ながら与えましょう。
慣れている食材でも、くれぐれも「そればかりを与える」状態にならないようにしてください。
しっかり火を通す
食材の調理方法にも注意が必要です。なかでも生の魚や肉は寄生虫やのリスクが高いため、必ず加熱調理してください。野菜やキノコ類も茹でてから与えましょう。
また調味料や香辛料は使用せず、素材だけのシンプル風味を心がけてくださいね。
有害な食材を把握しておく
人間が食べる食材のなかには、猫にとって有毒となる危険な食材も存在します。そのような有害な食材は絶対に与えてはいけません。
身近なものをあげると玉ねぎ、ニンニク、ネギ類、チョコレートやカフェインを含む食品、ぶどうなどがあります。これらは猫に中毒症状を引き起こす食材となるので、猫に与えないでください。
持病がある・高齢の場合は獣医師に相談
猫に食材を与えるときは、猫の体調や年齢に応じて適切な食材を選択しましょう。とくに高齢猫や持病のある猫の場合は、獣医師に相談してから与えるのをお勧めします。
免疫力を高める食材はあくまでもサポート的な役割を果たすもので、食事の基本は、バランスの取れたメインフードをきちんと与えることです。
そのため主食は総合栄養食を使用し、免疫力を高める食材は補助的に与えるようにしましょう。
まとめ

猫の免疫力がアップするといわれる食材には、今回紹介したものがあります。
しかしこれらの食材は、あくまで免疫力アップをサポートするものであり、これらを与えれば必ず病気にならないというわけではありません。
また猫の免疫力を高めたりキープしたりするのは、それだけでなく、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス軽減なども大切といえます。
そのため猫の健康を守るなら、日々の食事管理に気を配り、愛猫の健康状態や取り巻く環境を整えることも忘れてはいけません。