1. ヒゲが濡れるのを避けている

猫が手で水を飲む理由として、まずヒゲを濡らしたくないということが考えられます。猫のヒゲは単なる飾りではなく、周囲の環境を把握するためのセンサーの役割があります。このヒゲの働きによって、猫は暗闇でも障害物を避けたり、狭い場所を通れるかどうかを瞬時に判断したりしています。
しかし、ヒゲが水に濡れて重くなるとセンサーが鈍ると考えられているほか、猫にとって不快な感覚が生まれるとも言われており、これらがヒゲを濡らしたくない理由として考えられるでしょう。
2. 水面の高さを確認している

猫は近距離の視力はあまり良くなく、人間でいうと軽い近視のような状態に近いと言われています。そのため、目の前にある水面の正確な位置を把握するのが苦手な場合があります。
特に、透明な容器に入った水や光が反射してキラキラと輝く水面は、猫にとって距離感が掴みにくく、顔を近づけすぎて鼻まで水に浸かってしまう可能性があります。
そういったことを防ぐためか、猫はまず前足で水面に触れ、その深さや位置を確かめてから飲むことがあります。これは、視覚の弱点を補うための猫なりの工夫と考えられています。
3. 水の味や匂いを確かめている

猫は優れた嗅覚と味覚を持っています。特に嗅覚は人間の数万倍から数十万倍も敏感と言われており、水のわずかな匂いの変化にも反応できるとされています。
そのため、水道水に含まれるカルキ臭や長時間放置された水から発生する雑菌の匂いなどを嫌う猫は、直接口をつける前に手で水をすくって匂いや味を確かめて、自分の嗅覚と味覚を頼りに安全で美味しい水かどうかを判断していると考えられています。
4. 遊んでいる

ここまでご紹介してきた理由に加えて、猫が手で水を飲むのは単なる遊びである可能性も考えられます。特に子猫は何に対しても好奇心旺盛で、水に触れること自体を楽しんでいる場合があり、水面を叩いて水しぶきを上げたり手で水をすくってはこぼしたりする姿は、見ている側も楽しめます。
また、子猫に限らず成猫であっても退屈しのぎやストレス解消のために水遊びをすることがあるとされ、特に室内飼いの猫は運動不足や刺激不足を水に触れて解消しているとも考えられるでしょう。
まとめ

猫が手で水を飲むという一見不思議な行動には、さまざまな理由があることが分かりました。
ぜひ本記事の内容を参考にして、愛猫の行動や考えを理解するためにお役立てください。