1.ツンデレの申し子
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猫種をはじめ、性別、毛色、親からの遺伝(特に父猫)、子猫期の過ごし方(人、猫、他の動物との関わり方)など、猫の性格は、さまざまな要因から総合的に形成されます。
猫の性格で最も代表的なのは、みなさんもご存じの「ツンデレ」タイプです。このタイプの猫は、「ツン」をベースにしながら、気分に合わせて、「デレ」に切り替えます。一般的には、雌猫に多いのが特徴です。
「ツンデレ」タイプの猫は、気まぐれと言われる猫のなかでも、特に、思うようにコントロールできません。上下関係にシビアな犬と違って、リードを握っているのは、むしろ愛猫のほうです。
象徴的な行動の一例を挙げると、飼い主さんが呼んでもシカトし続け、タイミングを間違えて撫でたら露骨に嫌がり、抱っこしようものなら、山中で盗賊に遭ったみたいに逃亡します。
「ツンデレ」猫と関わるうえでのコツは、愛猫のペースに合わせることです。働きかけるよりも待つことが大事で、下手に動くと、かえって機嫌を損ねてしまうこともあります。
同時に、ごくまれに訪れる「デレ」の瞬間を確実に捕まえることが大切です。愛猫の「デレ」は、突然、前触れもなくやってきて、流れ星のごとく過ぎ去っていきます。甘えてきたときは、何を差し置いてでも、たっぷり甘えさせてあげてください。
ツンデレ・ミステリー界では、愛猫の「ツン」は、「デレ」の甘みを際立たせるための周到な伏線です。
2.甘えん坊は寂しがり屋さん!?
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猫=クール、というイメージがありますが、実は、意外なほど甘えん坊な子もいます。甘えん坊になる背景として、フランクな性格の父親の遺伝と、子猫期における人との豊富な接触体験が関係している、と言われています。
ちなみに、性別で言えば、雄猫のほうが甘えん坊で、猫種では、茶トラ猫が代表格です。
甘えん坊を見極める基準としては、「スリスリ」や「しっぽピーン」「ふみふみ」「抱っこ」「添い寝」「PC作業のジャマ」などの行動が挙げられます。「ツンデレ」猫の飼い主さんからすると、贅沢過ぎるフルコースで、きっとうらやましい限りでしょう。
飼い主さんにいつでも寄り添う甘えん坊さんは、逆に言えば、寂しがり屋さんです。外出などで飼い主さんがいなくなると、とたんに寂しくなってしまいます。このタイプの猫は、留守番がとても苦手です。
ひとりで遊べるおもちゃなどを活用して、少しずつ留守番に慣れてもらうと、愛猫もやがて平気になり、飼い主さんもまた安心して外出できるようになります。
3.ワイルド&デリケート
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3つ目のタイプは、野性的、もしくは、内気な猫です。野生傾向が強いと、活発な遊びが高じて、攻撃的になる場合があります。一方、用心深い猫は、飼い主さんに対して一定の距離を保つのが信条です。ときに物陰に隠れ、まわりの状況を慎重に見極めます。
両者に共通するのは、野性本来の警戒心であり、育った環境の影響です。たとえば、過去につらい目に遭った猫は、おうちに迎え入れた後も、なかなか懐いてくれません。自分の身を守るあまり、ついケンカ腰になることもあります。
このタイプの猫に必要なのは、ほどよい距離感で接することです。さらに、秘密基地的な隠れ家とキャットタワーを用意してあげるのも良いでしょう。愛猫の根強い警戒心を解くためには、できるだけ長い時間、いっしょに過ごすことが重要です。
安心感を十分に実感できると、怖がりな愛猫も徐々に心を開いてくれます。
4.ほぼ人間
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猫は基本的に、飼い主さんのことを「大きな猫」だと認識していますが、なかには、自分のことを「人間」と思っているような子もいます。
このタイプの猫は、声をかけたらちゃんと返事して、家族の会話にもしっかり入り、ドアやふすまも器用に開けます。畳をこよなく愛し、寝るときは飼い主さんといっしょ。前脚で水をすくって飲むかと思えば、二本足で立って遠くを見渡します。
その姿は、「ほぼヒューマン」です。
飼い主さんと多くの時間を共有するうちに、だんだん人間寄りの行動を身につけた結果なのでしょう。もはや、ペットというカテゴリーを超えています。立派な人間家族の一員です。
内気だった猫も、飼い主さんのやさしさと深い愛情に接すれば、大きく性格を変える可能性があります。
そのうち、貫禄たっぷりにソファーに横たわって、スマホのマッチングアプリを巧みに操りながら、お気に入りのニャンコを探すようになるかもしれません。
まとめ
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人間と同じように、猫の性格にもいろいろあります。今回の記事では、大まかに4つの性格タイプについて解説しました。性格の違いによって、関わり方も変わってきます。
本文でも紹介した通り、たとえば、ツンデレ猫の場合は、甘えてきたときにしっかりかわいがってあげることがポイントです。それぞれの性格に応じて接すれば、愛猫も気持ちよく日々を過ごせます。