1.「ヘソ天」は大胆不敵
猫は基本的に怖がりで、五感が鋭く、ちょっとしたことにも驚きます。ところが、なかには、何にも動じない大胆不敵な猫がいるのも事実です。
その代表が、「ヘソ天派」を掲げる猫たちです。ヘソ天とは、文字通り、おへそを天井に向けて寝る姿勢のことを言います。急所のお腹をさらけ出しながら堂々と眠る姿は、ほぼ人間のようです。
「ヘソ天派」の猫に共通するのは、些細なことにはこだわらず、フランクで寛容な精神を持っていることです。裏を返せば、スキだらけで、野性風味は少なめ。モダン猫暮らしを最も満喫しているタイプと言えます。
大物感たっぷりなので、飼い主さんのことも人間とは思わず、毛づくろいもまともにできない不器用な猫、と認識しているかもしれません。
猫がお腹を見せてのんびり眠れるのは、今いる環境に満足している証拠です。野生の世界ではめったに実現しない、安心と安全が十分に確保されています。さらに言えば、安心感のもとは、飼い主さんの思いやりとやさしさのおかげです。
2.高所好きは「ひとり好き」
猫本来の習性に基づいた寝姿と言えば、キャットタワーなどの高い位置で眠ることです。種の起源をたどれば、大祖先・ミアキスの時代から、猫は樹上で暮らす動物でした。高いところは、まわりを俯瞰(ふかん)できるため、とても安全です。
「高所派」な猫は、「ヘソ天派」と比べると、野性成分はやや多めと言っていいでしょう。安全な場所に身を置いたうえで、誰にも邪魔されずに、ひとりでゆっくり眠ることを好みます。飼い主さんに対しても、クールな距離感を保ちがちです。
甘えることもありますが、それ以外は、持ち前のツン・シールドを盾に、マイペースに自分の時間を過ごしたがります。みなさんのなかにも、同じように「ひとり好き」がいるはずです。
3.「アンモニャイト」は繊細な証!?
最後の3つ目は、まるまって眠る猫です。その姿を化石のアンモナイトになぞらえて、「アンモニャイト」と呼ばれることもあります。寒い季節に多く見られる寝姿のひとつです。
「アンモニャイト派」な猫の性格は、一般的に警戒心が強めで、デリケートなところがあります。寝ているときもお腹をしっかりガードする用心深さは、野生動物本来の姿です。このタイプの猫から言わせれば、「ヘソ天派」の寝姿はきっと「ありえない!」でしょう。
個体差はありますが、「アンモニャイト派」な猫には、フードやトイレの清潔さ、猫用ベッドなどのグッズに対して、きめ細やかなこだわりを持った子が多いかもしれません。対応する飼い主さんはいろいろと大変ですが、手がかかる分、愛おしさも増します。
まとめ
本文で紹介した以外にも、猫は多彩でユニークな寝姿を披露してくれます。そのすべてがかわいいのは、睡眠を「本職」とする猫ならではの奇跡かもしれません。
今回は、性格判断として、「ヘソ天」「高所好き」「アンモニャイト」の3つに注目しました。愛猫の寝姿には、日頃のストレスを吹き飛ばす不思議な力があります。これからも引き続き大いにほっこりさせてもらいましょう。