1.外敵から身を守るため
猫は、外敵から身を守るために熟睡しない習性があると言われています。いつでも起きて交戦できる状態を保っているということです。そのため、起きるたびに寝床を変える行為も決しておかしくはありません。
その代わり、猫は成猫の場合1日14時間ほどを睡眠に当てます。狩猟のためにエネルギーを温存するとともに、もともとの浅い眠りを時間でカバーしようというわけです。
この間に、気まぐれでちょっと歩いてみたり、より安心できる場所に移動したりします。
ちなみに猫はもともと夜行性のため、夜間はとくに目がさえてしまう傾向があります。
飼い主さんのことが大好きな猫は、飼い主さんが移動するたびに付いてまわることも。その行動が、寝床をコロコロ変えているように見えることもあります。
2.体温維持のため
体温を維持するために、コロコロ寝床を変えることもあります。夏場にフローリングの上で寝始めたものの、徐々に寒くなって絨毯の上に移動…といった具合です。飼い主さんのそばにいたくて布団の上で寝ていたものの、暑くなって床に移動ということもあるでしょう。
そもそも猫は、快適な居場所を見つけるのがとても上手な動物です。暑いときはここ、寒いときはここというベストポジションがあるのでしょう。
1日の気温は一定ではないですから、周りの気温に合わせて寝床を変えるというのは合理的なようにも思えますね。
体温維持のために寝床を変え、その場所が快適だったのであれば、寝床を変えるからといって悪いことではありません。猫の選択肢が増えるよう、家の中の色々な場所に寝床を作ってもいいのではないでしょうか。
3.体調が悪いため
風邪を引いたり怪我をしたときに、眠たいのになかなか眠れなかったという経験はないでしょうか。
そんなときには、体の辛さや痛みから寝返りばかりうってしまうものです。猫も同じように、体調が悪くてコロコロ寝床を変えることがあります。
猫が寝られなくなる疾患の例としては、腎疾患や膀胱炎、胃腸炎や猫風邪などがあげられます。
これらの疾患にかかると苦しさや痛みがあるため、落ち着いて眠ることができなくなってしまいます。また高齢猫では、甲状腺機能亢進症や認知症の可能性もあるでしょう。
トイレに頻繁に行く、大きな声で鳴く、攻撃的になるなどの行動が見られたら、なんらかのサインを出している可能性大。念のため動物病院に行ってみるのがおすすめです。
4.ストレスがあるため
猫が突然寝床をコロコロ変え始めたのに、体には異常がない…。そんなときには、ストレスを疑ってみてもいいかもしれません。猫にとって不快な環境である場合も、寝床を変える頻度が上がることがあるためです。
ストレスの原因としてまず考えられるのは、騒音です。屋外の工事音や家電の音が大きくなると、落ち着いて眠れないことがあります。猫は人間の4倍以上の聴力があるため、大きな音や今まで聞いたことのない音には敏感です。
また、飼い主さんが構いすぎてストレスになっていることも考えられます。
どれだけ飼い主さんのことが好きでも、寝る直前になでられたり遊びに誘われたりするとイライラするもの。同じように、同居猫の存在を鬱陶しく感じている場合もあります。
尻尾をバタバタ振る、噛みつくなどの行為は、イライラしているサイン。猫が落ち着いて睡眠をとれるように、環境を整えてあげることが大切です。
まとめ
猫が寝床をコロコロ変える理由はさまざまで、一概に「よくない」とはいえません。ルーティンとして毎晩やっていて、且つよく眠れているようなら、心配しすぎることはないでしょう。
しかし一方で、病気やストレスが原因で寝床を変える場合もあります。ある日突然落ち着いて眠れなくなったのであれば、猫の行動や様子に他にも変化がないかチェックしてみてください。