訃報…地域の人々を結び付けた「接着剤」として愛された地域猫が亡くなる シンガポール

訃報…地域の人々を結び付けた「接着剤」として愛された地域猫が亡くなる シンガポール

地下鉄駅付近にたたずんで、人々に愛嬌を振りまいていた地域猫がこのほど亡くなりました。住民たちは街を明るくしてくれたこの猫の功績に感謝して、追悼式を行い、記念碑を建てて猫の思い出を後世に残すことにしました。

多くの人々に愛された地域猫

かわいらしく寝そべる茶トラ猫

画像はイメージです

シンガポールのポトン・パシール地区で、多くの人々に愛された地域猫が亡くなりました。

猫の名はHunter。よく地下鉄MRTの「ポトン・パシール駅」出口付近にたたずみ、人々に愛嬌を振りまいていました。みんなは「ポトン・パシールの守護天使」「MRTのかわいいニャンコ」などと呼んで、この茶トラ猫をかわいがったのです。

地域住民はHunterを偲んで、このほど記念碑を建てました。この猫が地域を明るくしてくれたことに感謝して。

大切に世話されたHunter

人間の足元で甘える茶トラ猫

画像はイメージです

この5年間、同地区で働いているIreneさんは「Hunterは地域の人々からかわいがられ、とても大事にされたManja(甘やかされっ子の意)でした」といいます。

なかでもとくに熱心な世話人が数人いて、ご飯をあげたり寝床を掃除をしたり、毎月獣医に連れて行って診察を受けさせたりしていたのです。ご飯を与えるときは、猫の額にキスをする世話人の姿も見られました。

「雨の日は、自分のぬれた毛を人々のズボンにこすりつけて甘えていました。そんな仕草が、たまらなくかわいいと思いましたね」というIreneさん。

Hunterを囲んで数人が毛を撫でたり言葉を交わしたりすることで、他人同士でも和やかな時間が持てたのです。この猫が地域社会を円滑につなげる「接着剤」の役割を果たしていたのは明らかでした。

追悼式には多くのメッセージが

花のそばでくつろぐ茶トラ猫

画像はイメージです

しかし、Hunterの体は「骨髄がん」に蝕まれていたのです。

2024年12月10日、仕事に向かう途中のIreneさんは、MRT駅から数ブロック離れた排水溝の上で横たわり、まったく動かないHunterを発見しました。彼女は心配して猫の写真を撮り、Facebook上の地域グループに向け投稿したのです。

世話人たちは、写真の猫が前の日から行方不明になっていたHunterであることを確認しました。猫はすでに息絶えていたのです。

遺体は火葬され、「Hunter逝去の知らせ」はすぐに人々に広まりました。たちまちネット上にはこの特別な猫を惜しむ声や写真が多く寄せられたのです。

12月11日、IreneさんらはMRT駅近くの「ブロック101」でHunterの追悼式を開きました。多くの住民が、猫の写真や心のこもった手書きのメッセージ、手描きのイラストなどを寄せてくれました。

写真の中には、この猫が地域で初めて目撃された2020年ごろのものもあります。

「愛しいHunter。長い間この街のやさしい猫でいてくれて、ありがとう」「きみがあちこち歩きまわって日光浴を楽しむ姿が見られないのは、とても残念だよ」と書かれた手紙もありました。

Hunterは野良猫ではありましたが、地域住民の心の中に「すばらしい住まい」を見つけていたのですね。

出典:Potong Pasir residents mourn beloved community cat, 'guardian angel' of MRT station

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