1.体調が悪いときに大人しくしている
飼い主さんが体調不良で寝ているとき、愛猫はどんな反応を示しますか?構わずちょっかいをかけてきたり、構ってほしいと言わんばかりニャーニャー鳴くなんて猫が多いのではないでしょうか。
しかし中には、普段は甘えん坊なのにとても大人しくしている…という子もいるかもしれません。
そんな猫の行動は「遠慮している」と感じることでしょう。うちの猫は人間のコンディションを気遣ってくれているのでは…。そんな風に誇らしく感じると思います。
しかし実際には、いわゆる「遠慮」の気持ちで控えめになっているわけではないこともあります。
飼い主さんの様子がいつもと違い過ぎて「どうしたのだろう」と、怪訝に感じている可能性が高いのです。それは人間の考える「遠慮」というよりも「警戒」の気持ちに近いといえます。
2.怒って噛むときに力加減している
犬の甘噛みは大きな事故になる可能性が高いため、トレーニングによって行動をやめさせる必要があります。しかし猫の中には、教えてもいないのに手加減する子もいます。そんな行動は、なんだか人間に遠慮しているようにも思えますよね。
例えば、猫はとても気まぐれな性格なので、「なでてほしい」と甘えてきたのに突然イライラして「もうやめて!」と抗議することがあります。そんなとき飼い主の手をガブリと噛むかと思えば、意外と優しく噛んでいる…なんてことも。
このときの猫の気持ちは、飼い主さんとの日々のコミュニケーションの中で、「この程度の抗議でやめてくれるはず」と学んでいるからだと考えられます。強く噛んだときに飼い主さんが大きな声を出したため、警戒の気持ちから手加減している可能性もあるでしょう。
3.来客時に隠れて出てこなくなる
家に来客があったとき、愛猫はどのような反応をするでしょうか。中にはお客さんに甘えて擦り寄る子もいるでしょうが、ほとんどの猫は隠れて出てこなくなると思います。こんな行動も、遠慮して席を外しているかのように見えるかもしれません。
しかし実際には、人間に気を遣って存在感を消しているわけではありません。遠慮というよりも、「知らない人が来たから隠れよう…」と警戒している可能性が高いです。猫は非常に危機管理能力の高い動物なので、攻撃を受けないために前もって身を隠しているのです。
ちなみに、お客さんが帰ったあとに激しく鳴きだす猫もいると思います。これは気を遣ってストレスが溜まった…というよりは、「さっきの誰だったの!」「すごく怖かった!」と飼い主さんに文句を言っていると考えられるでしょう。
4.忙しいときに静かに待っている
飼い主さんが家事や作業で忙しいとき、愛猫がじっと静かに待っていることがあります。猫の精神年齢は人間にすると2~3歳くらいと言われますが、それくらいの年齢の子が親の作業が終わるまで待つなんて難しいはず。もしかして空気を読んでる…?そんな風に思うかもしれません。
このときの猫の気持ちは、「飼い主さんは忙しそうだから甘えるのは待とう」といった感じでしょう。これは遠慮というよりも、今までの経験から得た知恵と言う方が近いかもしれません。
作業中に甘えても構ってくれないことが多かったので、動いても無駄だろうと感じているというわけです。
しかしこの行動からは、作業が終わったあとに必ず甘えさせてくれるという信頼感があることも伺えます。猫にしても、飼い主さんのことをよく見ているからこそ都合が分かっているのでしょう。
まとめ
猫の行動の中には「遠慮」に見えるものもありますが、実際には「警戒心」から来ているものがほとんどです。
しかし猫が飼い主のことを大切に思っていることは、他のさまざまな行動からも実感できるのではないでしょうか。人間のように相手を思いやって行動する…ということはなくとも、日々の触れ合いの中で絆を深めていけるといいですね。