猫に『アロマ』がダメだと言われる理由3つ 洗剤や芳香剤…使ってはいけない関連アイテムも

猫に『アロマ』がダメだと言われる理由3つ 洗剤や芳香剤…使ってはいけない関連アイテムも

人間にはリラックス効果のある「アロマ」ですが、実は猫にはNGということをご存知ですか?「誤食しなければ問題ないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、使用すること自体に注意を払う必要があります。本記事では、アロマが猫にはNGとされる理由を、具体的に3つ解説していきますので、猫の安全を守るためにもぜひご覧ください。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.匂いが強い刺激になるから

猫の鼻のアップ

猫の優れた嗅覚は、匂いを嗅ぎ分けたり、危険を察知したりするために役立っています。

猫種や個体差もありますが、匂いを感じる「嗅神経細胞」の数は、人でおよそ500万個であるのに対し、猫はおよそ4500万〜2億個あるとも言われており、匂いをキャッチする嗅上皮の面積も人間の約5倍あるとされています。

このため、アロマの匂いや他の動物の体臭が、猫にとっては強い刺激となるのも納得でしょう。

特に「酸っぱい」匂いが苦手なので、ベルガモットやマンダリン、レモンなどの柑橘系の香りは敬遠されます。

ちなみに、柑橘系に多く含まれる精油成分の「リモネン」は、みかんやレモンの皮に含まれており、誤食はもちろん、体に付着するだけでも皮膚炎になるリスクが指摘されています。

2.中毒症状を引き起こすから

体調不良の猫

アロマが原因で起こり得る中毒症状は多岐にわたり、徐脈、呼吸困難、嘔吐、下痢、食欲低下などが挙げられます。

先に精油成分について触れましたが、肉食動物である猫は、植物由来の成分である「精油」が体に合いません。

猫の肝臓は、人間とは仕組みが異なり、解毒機能を持つ「グルクロン酸抱合」の能力が著しく低いからです。

一部のネット情報では「アロマテラピーとして、猫にもマッサージは有効」という誤った発信も散見されますが、マッサージの際にアロマを使うことも厳禁ですのでご注意ください。

3.健康に長期的な影響を受けるから

毛づくろい中の猫

空気中に漂うアロマ成分を、毛づくろいなどで吸収し続けることで、すぐに中毒症状は起きなくとも、健康に長期的な影響を受ける可能性があります。

やはり肝臓が影響を受けやすく、数年経って症状があらわれる場合もあるでしょう。

猫がいる環境はもちろん、飼い主さんの身の回りのもの全般で、使用することは控えてください。

全てのアロマが危険なのかどうかという点では、まだ明らかになっていませんが、安全と断定できる確証はないので現時点では「アロマ全般が有害」という前提で対応した方が安心です。

使ってはいけない関連アイテムとは?

アロマオイル

アロマキャンドルやルームフレグランスなどの「芳香剤」は、使ってはいけない関連アイテムの代表と言えるでしょう。

被毛を通じて成分を吸収すること自体が問題であり、誤って猫が倒してしまう、舐めてしまうという危険性もあります。

日々の洗濯に使われる「洗剤」や「柔軟剤」も、製品によってはアロマ成分が配合されている可能性があるため、特に、猫グッズの洗濯に使用することは避けていきたいものです。

また、保湿に使われる「ハンドクリーム」や「ヘアオイル」は、見落とされやすいかもしれません。

しかし、なかには匂いが気になって、飼い主さんの手や髪を舐めようとする猫もいるため、付けた直後は猫との接触を控えましょう。

まとめ

指の匂いを嗅ぐ猫

アロマは、香りの強さや健康への悪影響をもたらすことから、猫への使用はもちろん、猫のいる環境で使うことを避けてください。

直接口に入れなくとも、毛づくろいなどで吸収されていくことによって、数年経ってから症状が起きる可能性もあるでしょう。

アロマの種類別の安全性は、現時点では全て明らかになっているわけではありません。

しかし、少しでもリスクが考えられる状況のなかで、猫との暮らしにおいて、わざわざアロマを取り入れる必要はないのではないでしょうか?

もちろん、過敏に考えすぎて、飼い主さんがストレスになるのもよくありませんが、日頃から意識づけをしながら、猫の健康を守っていくことが大切です。

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