猫が見せる親友へのサイン4つ
信頼関係が深まると「なついている」以上に、猫は飼い主に対して理解を示してくれます。本当に信頼している人にだけ見せるサインには、少し特別なニュアンスが含まれるのです。
愛猫があなたを「親友」だと思っているかどうか、以下のサインでチェックしてみましょう。
1.至近距離でみつめてくる
猫が至近距離でみつめてくるのは、飼い主が自分に気づくかな?なでてくれるかな?それとも、遊ぶかな?という期待や観察に近いものです。
猫に詳しい人なら、猫は目をみつめると挑発の意味になることを知っているでしょう。しかし、それはあくまでも関係の薄い猫同士のコミュニケーションの話です。
子猫が大好きな母猫をみつめることで親愛を確認するように、人に対しても、親愛の気持ちを持ってまっすぐな瞳でみつめてきます。それは、気持ちを共有したいと思っている表現なのです。
2.やわらかい鳴き声でおしゃべりする
基本的にあまり鳴かない猫でも、甘えの意味で鳴くこともありますが、猫が親友だと認めた人には、特に「要求」がなくてもおしゃべりすることがあります。
このときの鳴き声は、高めのトーンで単調ではないやわらかな鳴き方で、まるで会話をするような「ン~、ミャ?」「ナァ〜ン!」など、上手に抑揚がついています。
猫は年齢を重ねるごとにおしゃべりが上手になるケースがありますから、たくさん話しかけて親友との会話を楽しんでみましょう。
3.リラックスして寄りかかる
人間も親しい相手には、自然に身体を近づけることがありますが、これは猫も同じです。ゆっくりとくつろいでいるときに、隣に来て寄りかかってくるのは親友だと感じているからです。
たとえば、足元にすり寄ってきたり、膝の上に乗ってきたりするのも信頼の行動ですが、身体に寄りかかるという行動は「お互いに身を任せても大丈夫」という深い安心と信頼があるからこそする行動です。
これは兄弟猫や仲の良い同居猫同士でも見られます。甘えや要求だけではない気持ちと、飼い主との安心できる関係が築けているからかもしれません。
4.特定の行動パターンを共有する
猫は信頼している人に対して、特定の同じ行動パターンを見せることがあります。たとえば、飲食するときには猫も一緒に食事をはじめる、あるいは「歩く」「座る」を共にするなどです。
なかには、特に教えたわけでもないのに『ハイタッチ』や『オスワリ』など、特定の言葉に合わせた動作ができるすごい猫もいます。
猫が相手の模倣や共鳴をすることで、お互いの関係を楽しんでいるのです。猫は観察力が高いため、人間の行動をよく観察しています。行動には猫の好みが反映されますが、これは野良猫・地域猫などでも見られる行動です。
猫にとっての”友”とは?
実際には、猫は思われているほど孤高な動物でもなく、かといって人間のように多方に友だち関係を築くわけでもありません。社会性のある動物なのです。
猫と他者の関係は、母子関係や兄弟関係の延長にあるといわれています。母猫は生存に必要な存在ですが、子猫は大きくなると自立して毎日を送ります。
一方、兄弟猫は離乳後もしばらくは、一緒に探検したり狩りをしたりしながら、猫としての経験を積むことがあります。
猫が信頼する人間は、母猫や兄弟のかわりとして、血縁ではなくても家族と認められる存在です。猫にとっての“友”という存在は、生きるために必要な関係でありながら、共に暮らし互いに成長できる大切な家族関係のひとつなのです。
まとめ
猫とのつきあいが深くなればなるほど、猫のひとつひとつの仕草や行動の意味に気づくようになります。鳴き方ひとつ取っても、猫の感情が手に取るようにわかるようになるのです。
もし「毎日愛情を込めてお世話しているけど、猫は自分のことをどう思っているのだろう?」と疑問に思ったら、今回紹介したようなサインを出していないか、あらためて観察してみましょう。
ふと気が付くとジッと見られていたり、隣に来たと思ったらゴロンと背もたれ代わりにされたり、猫はさりげない仕草の中に、特別な関係であることを教えてくれていることでしょう。