猫に『みかん』を与えてはいけない2つの理由 危ないのは実と皮、どっち?

猫に『みかん』を与えてはいけない2つの理由 危ないのは実と皮、どっち?

猫にみかんを大量に与えてはいけない理由は2つあります。ひとつは、柑橘類の一種であるみかんは猫にとって消化が難しく、下痢や嘔吐を引き起こすことがあること。もうひとつは、みかんに含まれる有害成分が中毒を起こす可能性があることです。今回は猫にみかんがNGな理由を詳しく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫にみかんがNGな2つの理由

枝付きみかんと猫

みかんには猫にとって有毒な成分が含まれています。そのため、みかんを食べると中毒や消化不良の原因になると言われています。

猫にとってなにが危険なのか、どのようなリスクがあるのか具体的に見ていきましょう。

1.嘔吐・下痢の原因になる

猫も少量であればみかんを食べることはできますがおすすめしません。とくに皮には注意が必要です。猫がみかんの皮を食べると嘔吐・下痢などを起こす可能性があります。これは、みかんの皮に含まれる成分による中毒症状です。

またみかんの皮は繊維質が多いため、消化不良を起こして胃腸炎の原因になってしまう可能性があります。この場合も胃や腸に炎症を起こすことによって、嘔吐・下痢が引き起こされます。

猫にはできるだけみかんを与えないようにし、飼い主さんが食べる際にも、猫が誤って皮を口にしてしまわないように注意しましょう。

2.ソラレンやリモネンを分解できない

みかんの皮には香り成分である「ソラレン」や「リモネン」が含まれています。どちらも、柑橘類の皮に多く含まれている成分です。

猫は、これらの成分を分解する酵素がないため、うまく分解できずに上述のような中毒症状を起こしてしまう危険性があるとされています。

とくにリモネンは少量でも中毒症状の原因となり得ます。大量に摂取してしまった場合は、意識障害を起こし、後遺症が残る可能性もあります。

みかんの実と皮ではどちらが危険?

みかんをチョイチョイする猫

すでにお気づきかと思いますが、結論から言うと、みかんの皮の方が実よりも危険です。みかんの皮にはソラレンやリモネンといった有害成分が多く含まれています。

みかんの果肉は少量であれば猫が食べても健康を損なう可能性は低いと思われますが、皮は少量であっても注意したほうが良いでしょう。リモネンやソラレンに対する猫の中毒量はわかっておらず、少量で中毒症状を起こした例もあるようです。

猫が誤ってみかんの皮を口にしてしまった場合は、程度には個体差がありますが、重度の場合以下のような症状があらわれる可能性があります。

  • 手足の震え
  • よだれの増加
  • 元気喪失

もし猫がみかんの皮を食べてしまった場合には、少量でも念のため獣医師に相談しましょう。

みかんを食べてしまったときの対処法は?

猫とカゴに入ったみかん

猫がみかんの食べてはいけない部分を食べてしまった場合、まずは冷静に状況を把握しましょう。猫が食べた量と部位(実なのか皮なのか)を確認し、すぐに嘔吐や下痢などの症状がないか観察してください。

皮を食べてしまった場合は、口の中に残っていないか確認し、残っていたら取り出します。その後、早急に動物病院を受診してください。

受診の際は「いつ」「なにを」「どれくらい」食べたのか、どのような症状が出ているのかをスムーズに伝えられるようにしておきましょう。事前に動物病院に状況を説明しておくと診察をスムーズにおこなうことができます。

まとめ

マフラーをしている猫とみかん

猫にみかんを与えてはいけない理由は、大量に摂取すると嘔吐・下痢などの中毒症状や消化器症状を引き起こすためです。

特にみかんの皮にはソラレンやリモネンといった有害成分が含まれており、どちらも猫にとって非常に危険です。

猫は好奇心が旺盛で、気になったら確認せずにはいられない性格だと言われています。猫が誤ってみかんを丸ごと口にしてしまうことがないように、手の届かない場所に片づけておきましょう。

もしみかんの皮の部分を食べてしまった場合は、少量でも念のため動物病院を受診することをおすすめします。

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