寒い時期に用心したい『猫風邪』初期症状4選と予防法 一度かかると治らないって本当?

寒い時期に用心したい『猫風邪』初期症状4選と予防法 一度かかると治らないって本当?

寒くなると猫も人間の風邪に似た通称「猫風邪」にかかりやすくなります。猫風邪は猫の一般的な感染症で、とくに子猫や免疫力が低下した猫に多く見られます。今回は、猫風邪の初期症状と予防法について詳しく解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫風邪とは?

薬と猫

猫風邪とは、猫に発症する呼吸器感染症の総称です。猫風邪を引き起こすおもなウイルスや細菌には以下があります。

  • 猫ヘルペスウイルス
  • 猫カリシウイルス
  • 猫クラミジア

これらのウイルスや細菌は、鼻や口、目の粘膜から感染し、猫同士の接触や飛沫感染で広がります。

おもな症状は目の充血や結膜炎、くしゃみ、鼻水などで、口内炎の原因になることもあります。

猫風邪は一度かかるとウイルスが体内に潜伏しつづけ、完全に消えることはありません。そのため免疫力が低下した際に再発するリスクがあります。とくに高齢猫、ストレスを受けている猫は注意が必要です。

また猫風邪は症状の進行が速く、あっという間に悪化してしまうことも多いです。まれに肺炎を引き起こし、命にかかわる場合もあります。

猫風邪で見られる4つの初期症状

目を拭かれている猫

猫風邪は早期発見、早期治療が重要な病気です。以下に、代表的な初期症状を4つ紹介します。これらの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

1.目ヤニ・涙

目ヤニが増えたり、涙が止まらない状態は、猫風邪の初期症状のひとつです。目が充血していたり、目をしょぼしょぼさせている、目ヤニが増えているという場合は、結膜炎を併発している可能性があります。

症状が進むと目のまわりが腫れ、放置すると視力に影響を及ぼすこともあるため、早めのケアが必要です。

2.くしゃみ

猫は鼻に異物が侵入した際や冷たい空気を吸い込んだときにもくしゃみをしますが、その場合は一時的です。何度もくり返しくしゃみをしているようなら猫風邪が疑われます。

猫のくしゃみは「プシュ」「プシ」という小さめの音なので、離れていると気づきにくいかもしれません。「もしかしてくしゃみした?」というときは、愛猫の様子を注意深く観察しましょう。

猫風邪は、くしゃみを通じてウイルスが飛散するため、同居猫への感染リスクも増加します。

3.鼻水

くしゃみのほかに、透明な鼻水が出ているなら猫風邪の可能性はさらに高くなります。

初期はさらっとした水っぽい鼻水が一般的ですが、症状が進行して細菌などの二次感染を起こすと黄色や緑色の粘度の高い鼻水が出るようになります。

鼻が詰まると呼吸がしにくくなったり、匂いを感じにくくなったりします。

4.食欲不振

猫風邪にかかると鼻づまりでご飯の匂いがわからなくなるため、食欲が低下します。またウイルスが原因で口内炎を発症している場合は、強い痛みから食べたくても食べられないという状態になることもあります。

ご飯を食べなくなると、体力が低下して免疫が落ちたり症状が悪化したりなど、悪循環にもおちいりかねません。とくに子猫や高齢猫は注意が必要です。早めに動物病院を受診しましょう。

猫風邪の予防法

注射を受ける猫

猫風邪は一度かかると再発しやすいため、予防が非常に重要です。以下の対策を心がけて、愛猫を猫風邪から守りましょう。

  • ワクチン接種
  • 室内飼い
  • ストレスの軽減

猫風邪の原因となる猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスにはワクチンがあります。定期的にワクチン接種をすることで予防が可能です。万が一感染しても重症化を防ぐ効果が期待できます。

またウイルスに感染しないためには、完全室内飼いをおすすめします。

すでに猫風邪のウイルスに感染している場合は、免疫力が低下した際に体内に潜んでいるウイルスが活発化して発症する可能性があります。

免疫力低下の原因のひとつには「ストレス」があげられます。適切な飼育環境を心がけてストレス軽減に努めましょう。

まとめ

体温計を脇に挟んでいる猫

猫風邪は、軽症であれば自然に治ることもありますが、重症化すると命にかかわる可能性もあります。とくに子猫や体力のない老猫は重症化しやすいため注意が必要です。

愛猫を守るためにもワクチン接種や室内飼いの徹底、飼育環境を整えるなどできることから対策をしていきましょう。

また日頃から愛猫の健康状態をチェックし、少しでも異変を感じたら早めに動物病院を受診してください。

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