洗濯物が乾きにくい冬…猫がいる部屋で『室内干し』する際の注意点2つ

洗濯物が乾きにくい冬…猫がいる部屋で『室内干し』する際の注意点2つ

天気が変わりやすい冬は、洗濯物がなかなかはかどらない季節です。必然的に「部屋干し」の機会も増えます。「部屋干し」で心配なのは、愛猫への影響です。今回は、「部屋干し」するうえでの注意点を2つ紹介します。本格的な冬を迎えるための参考にしてみてください。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.洗剤や柔軟剤の香りによるストレス・健康被害

収納ボックスに佇む猫

猫の臭覚は、人間の約5倍と言われています。人間では感知できない微細な匂いでも嗅ぎ分けられる能力です。

部屋干しの大きな問題点は、洗濯物の匂いです。洗剤や柔軟剤には、アロマ成分やエッセンシャルオイルなど、猫にとって好ましくない材料も使われています。

人間からすれば、ほっとするような香りでも、猫の感覚では、無視できないほどの強い刺激です。

ラベンダー・エッセンシャルオイルが含まれる洗剤を一例に挙げてみましょう。

言うまでもなく、ラベンダーは、猫にとって望ましくない植物とされています。口にするのはもちろん、匂いを嗅ぐだけでも健康面で重大な悪影響を及ぼす場合があります。

外で干すのと違って、室内干しでは、洗濯物から漂うラベンダーの香りが部屋中に広がります。

換気しづらい冬場であれば、なおさらです。前述したように、鼻が利く猫は、飼い主さんが思っている以上に部屋の匂いを鋭く感じ取っています。

ラベンダーの匂いを嗅ぐと、嘔吐やめまい、食欲不振などの中毒症状を引き起こすこともあります。深刻な場合、肝臓などのトラブルにつながる危険性もあります。

体調変化だけでなく、普段できていたトイレの粗相など行動の変化でストレスを表す場合もあります。

猫のいる家庭では、健康面を考慮して、なるべく無香料の洗剤や柔軟剤を使うようにしましょう。

2.化学物質過敏症のリスクあり

洗剤と猫

強い香りと同時に、洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質も、猫に一定のダメージをもたらします。専門用語では「化学物質過敏症」と呼ばれるもので、俗にいう「香害」と同じ意味です。人間の場合、頭痛や倦怠感、不眠などの不調としてあらわれます。

洗濯物から漂う化学物質は、人間で言うところの足元に滞留します。足元の高さは、普段、猫が暮らす世界です。そのため、猫は、人間よりもはるかに化学物質を吸い込みやすい環境にいる、と言えます。

さらに、注目したいのは、猫の化学物質への耐性が人間と比べて劣っている点です。身体の構造上、猫は化学物質の分解が難しく、体内に溜め込んでしまいます。

毛づくろいによって、被毛についた化学物質を体内に取り込んでしまうことも、健康リスクを高める要因です。また、猫の皮膚は薄いため、化学物質が浸透しやすくなっています。

化学物質が猫の体内に溜まると、吐き気やめまい、下痢などの症状としてあらわれるケースがあります。

反応は個体差がありますが、明らかな体調変化として反応が見られる場合もあるため、もし愛猫が原因不明の不調に陥ったら、部屋干しの洗濯物を疑ってみるのもいいかもしれません。

まとめ

洗濯カゴから顔を出すメインクーン

冬場の部屋干しは、乾きにくく、雑菌の影響で匂いも気になるものです。猫にとっては、普段にないストレスが身近になってしまう季節と言えます。

部屋干しの主な問題点は、洗剤や柔軟剤の強い香りと化学物質の2つです。

対策としては、無香料の洗剤や柔軟財を使い、部屋干しスペースと猫のいる空間を分けることなどが挙げられます。

愛猫の様子を観察し、もし強いストレスを示す行動や食欲不振などの体調の変化が見られた場合、環境の皆を死を行なっても良いかもしれません。

今後の冬に備えて、本記事の内容をヒントにしっかりと対策してみてください。

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