一番有名!猫がねずみに騙された説
福島県の古い民話が始まりです。むかしむかしのある年の暮のこと、喧嘩ばかりしていた動物たちに神様は言いました。「そんなに毎日けんかばかりしているならリーダーを決めましょう。元旦の朝、私のもとに新年の挨拶をしにきなさい。一番早く来た者から順にその年のリーダーにしてやるぞ」と。
動物たちは皆、我こそ一番だと楽しみにしながら元旦になるのを待ちました。ところが猫は、いつ挨拶に行けばいいんだったけ?とうっかり忘れてしまったので、ねずみに訊くことに…。
少しでもライバルを減らしたいねずみは、「1月2日の朝ですよ」と猫に嘘を教えてしまったのです。猫はお礼を言い、喜んで2日になるのを待ちました。牛は自分が歩くのが遅いことを知っていたので、一番になるために大晦日の夜から出発しました。
牛小屋の屋根からそれをみていたねずみは、牛に気づかれないようにひっそり背中に潜り込んだのです。そして元旦当日、神様の御殿に一番乗りした牛は喜びましたが、門が開くと同時にねずみが飛び出て一番になってしまいました。
そこから牛、虎、兎と動物たちは次々に挨拶を済ませ、毎年のリーダーが決まっていきました。一方その頃、そんなことは知らない猫は明日になるのを楽しみに眠りにつきましたが、次の日行ってみたら誰もおらず、仲間に入れなかった。
その恨みが今でも続いているため今もねずみを追いかけているのです。ここまでの話は、多少の違いはあるものの日本各地、さらには中国、中央アジア、ロシア、モンゴル等色々な国にも伝わっています。
この続きとして、何も知らない神様は遅れてきた猫に「なにをしていたんだ!顔を洗って出直してこい!」と怒ったので、猫は毎日顔を洗うという話も有名です。
猫のせいでお釈迦様が薬を飲めなかったから説
お釈迦様が80歳の頃、マッラ国の「スーカラ・マッダヴァ」という豚の肉か、豚の好むキノコのどちらかを食べたせいで腹痛をおこしました。このままでは助からないと思ったお釈迦様のお母様は、天から必ず治る薬を投げるのですが、手元が狂い木の上に引っかかってしまいます。
そこでねずみに、あの木の上の薬を取ってほしいと頼むのですが、猫が現れねずみを食べてしまいお釈迦様の元に薬が届かず亡くなってしまうのです。それ以来、猫はタブーとされてしまったため干支にも入れなかったというわけです。
悪気はなかったとは言えそれが理由なら仕方がなかったのかも…と感じてしまいますね。
そもそも猫は思いつかなかった説
干支は紀元前1500年~1100年頃の中国で生まれ、最初は動物は関係なくあとから覚えやすくするために動物が充てられたと言われています。干支とは本来、天文学で「日・月・年・時間」または「角度・順序」を表すのに使われていました。
現代のカレンダーや時計、方位磁石の役割があったんですね。あとから充てられた動物たちは、古代中国に身近にいて、尚且つそれぞれ漢字の意味やイメージに近いものが選ばれていきました。
なので当時まだ身近な動物ではなかった猫は、そもそも思いつきもしなかったのかもしれません。
まとめ
猫が干支に入れなかった考えられる理由を、大きく3つに分けて紹介していきましたがどうだったでしょうか。
- ねずみに騙された説
- 猫のせいでお釈迦様が薬を飲めなかったから説
- そもそも猫は思いつかなかった説
あなたはどれが一番有力だと思いましたか?