1.ツナ缶(ウェットフード部門)
外観も中身も猫缶にそっくりなのが「ツナ缶」です。そのまま食べても美味しく、他の具材と組み合わせてさまざまにアレンジでき、常備食としても非常に重宝します。
みなさんの愛猫の中にも、「ツナ缶」を開けたとたん、音を聞きつけて、すぐに駆けつける食いしん坊さんがいることでしょう。「ツナ缶」は、猫缶と違い、やや油っこい見た目ですが、よく似ています。愛猫が「うまそう~」と期待するのも不思議ではありません。
試しに、とある「ツナ缶」の原材料を確認すると、「きはだまぐろ、大豆油、食塩、調味料(アミノ酸等)」と記されています。一見すれば、猫が食べてもOKのように思えますが、実は、人間用の「ツナ缶」は、猫にとってはNGです。
人間用の「ツナ缶」は、油分と塩分が多く、とりわけ猫が習慣的に食べ続けると、内臓(心臓、腎臓など)に過剰な負担がかかり、病気の原因になってしまいます。また、お腹に硬いしこりができるイエローファット(黄色脂肪症)のリスクも避けられません。
美味しそうな匂いにつられて、愛猫が寄ってきても、やんわりお断りする。それも飼い主さんのやさしさです。
2.コーンフレーク(ドライフード部門)
ドライフード部門からは、コーンフレークを代表とする、ヒューマン系カリカリフードがノミネートしています。
コーンフレークは、朝の忙しいときに、パパッと用意できて、ササッと食べられる定番フードです。しかも、栄養バランスも優れていて、何かと便利な食べ物なので、愛用の方もきっと多いでしょう。
コーンフレークを器に盛りつけると、猫用のドライフードと間違えて、愛猫が集まってくる。これは猫飼いの「あるある」かもしれません。
確かに、カラカラという音は、いわゆる「カリカリ」と聞き間違えてしまうほどです。見た目は猫用のものよりフラットな形状ですが、聴覚の発達した猫にはワクワク感が止まらない音に聞こえるのでしょう。
コーンフレークの主な原材料は、とうもろこしの表皮と胚芽を取り除いたコーングリッツや砂糖、麦芽エキス、食塩などです。たとえ人間にとって適量であっても、猫にとっては許容量をはるかに超え、健康被害をもたらすケースもあります。特に要注意なのは、チョコレートを使ったもので、誤って猫が口にすると、命を奪われかねません。
何であれ、人間の食べ物は基本的に猫から遠ざけたほうが無難です。
3.スティック状の食べ物(おやつ部門)
猫は、自分のセンサーに何らかの対象物が引っかかると、鋭く反応します。細長いスティック状の食べ物もそのひとつです。猫界では、スティック状のもの=ウハウハのおやつ、という共通認識があり、どうしても注目せずにはいられません。
人間用のスティック状の食べ物は、スナック菓子はじめ、ゼリー、ケーキ、チーズ、ヨーグルトなど、本当にいろいろあります。
たとえば、おうちでスティック状のゼリーを何気なく食べていると、いつの間にか、猫たちがにじり寄ってきた、という経験を持った方もいるかもしれません。前述したように、猫界隈では、スティック状の食べ物は、「我々のおやつ」が常識です。下手をすると、横領の罪で訴えられる可能性があります。
いくらガン見で圧力をかけられたとしても、飼い主さんは、猫権力に屈服してはいけません。愛猫の永続的な健康を守るためにも、人間用のスティックフードは自分だけですっかりたいらげてください。
まとめ
観察力に優れた猫は、日頃から飼い主さんをそれとなくチェックしています。特に、美味しそうなものを食べていたら、レスキューのように現場に急行します。
今回は、見た目がキャットフードと似ている人間の食べ物を3つ紹介しました。改めて言うまでもないことですが、多くの場合、人間の食べ物は、猫にとって有害です。健やかに暮らせるように、愛猫には専用のキャットフードを用意してあげましょう。