「好奇心旺盛な猫」がしがちな行為と注意点
動物は、生きていくために食事をしなければなりません。草食動物、肉食動物、雑食動物と、食物の種類によって動物を分類できますが、いずれにも共通しているのが、自らが被食者(食べられる側)になり得るということです。
そのため、多くの動物には「知らないものを警戒する」という本能が備わっています。と同時に、「知らないものを探求したい」という好奇心も備えています。警戒心があるからこそ危険を回避でき、好奇心があるからこそより賢く安全に生きていけるのです。
この警戒心と好奇心は、猫にも備わっている本能です。通常は、知らないものを見つけるとまず「警戒心」が働き、安全そうだと分かった後で「好奇心」が働きます。警戒心も好奇心も、共に必要な本能なのです。
しかし好奇心が旺盛すぎる怖いもの知らずの猫は、警戒心よりも好奇心に突き動かされ、突拍子もない行動をすることがあるため注意が必要です。
そこで今回は、「好奇心旺盛な猫」がしがちな行為と注意点について解説します。
1.いきなり近づいて確認する
通常は、見知らぬモノに気が付くとまず警戒し、すぐには近づきません。しかし好奇心旺盛な猫は、警戒せずに見知らぬモノに積極的に近づいていき、ニオイを嗅いだり前足でつついたりして確認し始めます。袋状や箱状のものであれば、中に入ってしまうこともあります。
筆者宅では、スーパーで買ってきたじゃがいもの入ったレジ袋を机の上に置いたまま目を離した隙に、愛猫が袋に入り込んで大騒ぎになったことがありました。確認作業中、何かに驚いた猫がパニックになり、レジ袋を体に巻き付けたまま家中を走り回った挙句、失禁してしまったのです。
ほんの少しの間だけだからと油断せず、新しく買ってきたものなどは放置せず、すぐに片付けましょう。
2.興味を持つとすぐ口に入れてしまう
猫は毎日縄張りの中をパトロールし、小さな変化も見逃しません。好奇心旺盛な猫であれば、ほんの些細な変化にも敏感に気が付きます。そしてその変化を、ニオイを嗅いだり舐めたり触ったりして確認します。
家具などを何気なく動かしたことで隠れていた電気コードや落ちていたボタン電池なども、躊躇なく舐めたり齧ったりしてしまいます。猫が噛んだり飲み込んだりして大事故につながるようなものは、飼い主さんが先回りして取り除かなければなりません。
3.見知らぬ人や動物にも臆さずに近づく
警戒心よりも好奇心の方が優っている猫は、初めて出会った人や動物にも、積極的に近づいていきます。相手が猫嫌いの人や警戒心の強い動物だった場合は、大きなトラブルにつながる可能性があります。
動物病院の待合室など、愛猫が見知らぬ人や動物に出会うシーンでは、キャリーバッグやクレートに入れ、外に出さないようにしましょう。
4.見知らぬ場所へ行こうとする
外や普段自由に入れない場所は、猫にとって魅力的な世界です。そのため、警戒心よりも好奇心の方が優っている猫は、見知らぬ場所にも積極的に行こうとします。
猫は足音を立てず俊敏に移動するため、飼い主さんが出かけるとき、気付かれずに一緒に外に出てしまうことがあります。窓の隙間から、また網戸を自分で開けて外に出てしまうこともあります。家具や棚などの隙間に入り込んだものの、出られなくなることもあります。
猫が外に出てしまったり、家具の隙間などに閉じ込められたりしないよう、普段から対策し、注意する習慣が大切です。
「好奇心旺盛な猫」への対処法
その猫の性格や経験にもよりますが、警戒心よりも好奇心が旺盛なのは、総じて若い猫に多い傾向があります。そして若い猫は体力もあるため、より無茶をして大きな怪我や事故につながる可能性が高いです。
若くて好奇心旺盛な猫も、成長しながらさまざまな経験を積むことで、次第に警戒することの必要性が分かってきます。しかしそれまでの間は、飼い主さんが愛猫の安全を確保できるように注意する必要があります。
犬に毎日の散歩が欠かせないように、猫にも毎日の遊びが必要です。退屈で暇を持て余していれば、刺激を求めて家中をあちこち点検して回るのも当然でしょう。特に若い猫には、毎日くたびれるまで、おもちゃを使って狩りごっこをさせてあげましょう。
くたびれるまで体を動かしたくさんの刺激を受けることで、旺盛な好奇心も満たされ、だんだんと無茶な行動が減っていくことでしょう。
まとめ
今回は、「好奇心旺盛な猫」がしがちな行為と注意点について解説しました。
警戒して様子を探ることも好奇心で対象を詳しく調べることも、猫が安全に生きていくためには欠かせないことです。
飼い主さんは、愛猫が警戒心と好奇心をバランスよく発揮して安全に過ごせるように環境を整え、好奇心を満たせるように思いっきり遊ばせてあげましょう。