猫との「和室暮らし」で和室のきれいをキープする防護策
和室の大きな特徴は、畳です。畳の原材料であるいぐさの中はスポンジのような状態で、隙間にたくさんの空気を含んでいます。そのため、畳は保温性や断熱性にとても優れています。つまり、和室は冷房や暖房の効きが良いのです。
例えば暑い夏の日も、エアコンの効いた部屋の畳の上なら、ひんやりとしていて気持ちが良いのです。生活空間の中で最も居心地の良い場所を見つける天才の猫が、和室でくつろぐのも納得できます。
猫にとって居心地の良い和室ですが、だからと言って和室と猫との相性が良いとは言い切れません。歩く時の肉球の感触が自然に近くて気持ちの良い畳も、指の間から毛が出ているような状態の猫では、フローリング以上に滑りやすいことがあります。
滑らないようにと爪を出して歩いたり、追いかけっこなどで爪を出し、畳に爪が引っかかりやすいことを発見した猫たちは、畳をお気に入りの爪とぎ器にしてしまうこともあります。
また、襖や障子をビリビリにしてしまうかもしれません。実際、筆者の和室の障子は、あまりにもビリビリにされるため、張り替えるのを諦めてしまいました。
猫と一緒に和室で暮らしたい場合、猫の爪から畳や襖、障子を守るための対策が必須だということは頭に入れておく必要があるでしょう。
そこで今回は、猫との「和室暮らし」を実現するなかで、和室のきれいをキープする防護策について解説します。
1.畳はマットやゴザなどで隠してしまう
畳の被害を最小限に抑える最も簡単な方法は、畳の上にマットやゴザなどを敷き、畳を隠してしまうことです。
もちろん、マットやゴザで爪をとぐこともあるでしょうが、畳でとがれるよりも、メンテナンスにかかる費用は安く済みます。
畳をそのままの状態で使いたい場合は、いつも猫がよく爪をとぐ場所のすぐ近くに、猫の好みの爪とぎ器を設置しましょう。爪とぎ器を使ったらすぐに褒めてご褒美をあげてください。それを繰り返して、爪とぎ器を使うようにしつけましょう。
また、猫はストレスを発散するために爪をとぐことも多いため、猫がストレスを感じずに暮らせるように環境を整えることも大切です。
新築や畳の入れ替えを検討されている場合は、滑りにくく、引っ掻き傷がつきにくく、簡単にお手入れができ、長持ちするペット用の畳も出ています。設計士さんなどに相談してみると良いでしょう。
2.畳に粗相されたら速対処!
人間が和室を頻繁に使用している場合、ゴザなどで隠すわけにもいきませんよね。かといって猫をしつけることも無理だとしたら、何かが起きたときに都度対応するしかありません。
猫が畳の上に粗相や嘔吐をしてしまった場合、片付けが大変です。畳の中におしっこなどが染み込んでしまい、中で雑菌が繁殖したり、いつまでもニオイが取れずに残ってしまったりするためです。
粗相や嘔吐をしたら、すぐにテッシュや新聞紙などで汚物を拭き取ります。
粗相の場合は、中性洗剤を噴霧してそのまま数分放置した後、濡れたタオルで拭き取って乾燥させます。乾燥した後は、粗相や嘔吐の箇所に重曹をふりかけて数時間放置し、掃除機で吸い取ります。
消毒したい場合は、クリーニング用のアルコールスプレーや消毒用エタノールなどを使用しましょう。
3.襖は保護シートで守る
襖に貼り付ける透明の保護シートを貼れば、見た目を大きく損なうことなく、爪とぎを防ぐことができます。ただし、保護シートを貼る前と比べると、多少の違和感を感じるのは仕方がないとあきらめましょう。
畳と同様に、爪とぎをする襖の近くに爪とぎ器を設置し、しつけることも忘れずに行ってください。
それでもなんらかの理由で破かれてしまうことも、猫と暮らす以上覚悟しておく必要があります。
破れが広範囲に及ぶ場合は、張り替えるしかありません。しかし、まだ破れている箇所が小さい場合は、市販の襖用シールで補修できます。いろいろな柄のシールが出ていますので、おしゃれに仕上げることもできるでしょう。
4.障子はプラスチック製にかえる
障子を破るのは、爪とぎとは異なり純粋に遊んでいるだけなので、防ぐのは難しいです。最も簡単な方法は、障子をプラスチック製のものに変えることです。プラスチック製なので破ることができなくなります。
ただし猫の遊びを取り上げてしまうのは、猫のために良くありません。破れない障子に変えた代わりに、毎日飼い主さんがしっかりとおもちゃを使って遊んであげる時間を作ってあげましょう。
障子を破かれてしまった場合も、穴が小さければ障子用のシールで補修できます。破かれた範囲が広い場合は、前述のプラスチック製の障子に張り替えてしまう方が良いでしょう。
まとめ
今回は、猫との「和室暮らし」で和室のきれいをキープする防護策について解説しました。
猫に爪とぎをやめさせることはできません。なぜなら、爪とぎは古い爪の層を剥がして新しい爪の層を表に出したり、自分の縄張りの目印としてニオイをつけるために、必要な行動だからです。
爪とぎに向いている素材が多く使われている和室を守るためには、猫のストレスをできるだけ減らし、猫専用の爪とぎ器を使うよう、猫をしつけていくことが大切です。
また障子を破る遊びは、年齢とともに落ち着いてきて、やめる子も多いです。若くてやんちゃな時期はプラスチック製の障子にし、落ち着いた年齢になってから紙の障子に戻すといった考え方もできるでしょう。
いずれにせよ、和室のある自宅で猫と暮らす以上、ある程度の覚悟と臨機応変な対応が必要なことは確か。お互いのストレスにならないよう、今回解説した内容を上手に活かして素敵な和室で一緒に過ごせるようにしていきたいですね。