猫が水をイヤがる理由
猫がもともと暮らす砂漠では、日中40度を超え、夜になると逆に氷点下まで下がります。
猫の毛は油分が控えめで、水を弾きにくいのが特徴。いったん濡れてしまえば、身体が冷えきって、あっという間に体調を崩しかねません。
もし狩りに行けなくなったら、それこそ命取りです。つまり、猫が水をイヤがるのは、生存本能に根差した当然の反応と言えます。
何らかの事情があって、水に慣れてもらう際は、拒否されるのは当たり前と踏まえたうえで、愛猫にできるだけ無理させないようにしましょう。
1.子猫のうちに
比較的取り組みやすいのは、子猫のうちに水に慣れてもらう方法です。生後2週齢~9週齢は子猫の社会化期と呼ばれ、コミュニケーションを含めた他者との関わり方、まわりの環境などを学ぶ大切な時期。
この間に、水=怖いものではない、というイメージを持ってもらえると、成猫になって以降、濡れても平気になる場合があります。
人間に置き換えてみても、大人になってから苦手を克服するのは大変です。猫も同じで、子猫期に水嫌いを改善すると、のちにシャンプーやお風呂などの必要があった場合も、楽にこなせます。
2.ぬるま湯&おもちゃ作戦
次は、愛猫の好奇心を刺激して、水への警戒心を和らげる方法です。まず、ぬるま湯(35~38度)の入った洗面器と愛猫お気に入りのおもちゃ(ボールなど)を用意してください。洗面器におもちゃを浮かべると、どんな反応を示すのか、それとなく観察してみましょう。
もし興味津々でおもちゃにちょっかいを出し始めたら、脈ありです。さらにビチャビチャに濡れても、楽しさが勝るようであれば、しめたもの。猫は学習能力が高く、怖いものではない、と理解できれば、水に対するイメージも良くなります。
もちろん、すんなりいかないのが猫であり、場合によっては、そっけなくスルーされる恐れもあります。そのときは、別の方法を試してみてください。
3.ちょっとずつステップアップ
人間でも、すぐに泳げる人もいれば、ゆっくり上達する人もいます。愛猫に水になじんでもらうのも、少しずつのステップアップが基本です。シャワーを頭からザーッとかけるようなことは、くれぐれもやめてください。猫は聴覚が鋭いため、びっくりして逃げ出す可能性があります。
手始めに、人肌程度に設定したシャワー、あるいは、お湯をすくって、警戒されないように、背中からちょっとずつかけてみてください。大丈夫そうだったら、今度は前足に。お湯をかけている間、愛猫の様子を確認するのもポイントです。もし怖がっていたら、その時点でやめ、別の機会に試してみましょう。
全身に行き渡るようにお湯をかけて問題がなければ、ある程度は水に慣れたことになります。それからは、シャンプーやお風呂を段階的に慣れていってもらうだけです。
ちなみに、水チャレンジとおやつを紐づけすると、水=良いことがある、と好印象を持つので、愛猫もトライしやすくなるかもしれません。
まとめ
個体差はありますが、ほとんどの猫は水が苦手です。慣れてもらうためには、愛猫に無理させない、段階的なステップアップが効果的。
今回は、3つの方法を簡単に解説しました。試す際のコツは、「水は怖いものではない」と思ってもらうことです。飼い主さんは、「うまくいったらラッキー」ぐらいの余裕を持ちつつ、実際に取り組んでみてください。