猫が「靴のニオイをかぎ倒す」理由とは
ふと気付くと、愛猫が玄関の自分の靴のニオイをずっとかぎ倒していることがあります。ちょっとだけ嗅いでみる程度なら良いのですが、取りつかれたように執着して嗅ぎ続けている姿は少々気恥ずかしくもあり、(なぜそんなに…?!)とやめさせたくもなります。
そこで今回は、猫が「靴のニオイをかぎ倒す」理由について解説します。
靴についたニオイが気になる
飼い主さんが履いた靴には、猫が知らない世界のニオイがたくさんついています。
猫の社会ではニオイは重要な情報源です。飼い主さんがどこに行ったのか、何をしてきたのかなどたくさんの情報を知るために、猫が靴のニオイを念入りに嗅いでしまうことがあります。
縄張りをまもるため
猫は自分の縄張りを持つ動物です。室内で暮らす猫の縄張りは家の中ですが、飼い主さんの靴からは自分の縄張りの外のニオイがしています。
猫は自分の縄張りに侵入者がいないか、縄張りを荒らされていないかなどを確かめるために飼い主さんの靴のニオイをチェックするのです。
もし、靴から他の猫や動物のニオイがしていたり、猫が靴につけた自分のニオイが薄くなっていると感じたりした場合は、顔や体を靴に擦り付けてニオイをつける仕草をします。
フェロモンのニオイがついている
猫が靴の一ヵ所のニオイを真剣に嗅いで、口をポカンと開けていた場合、靴に猫のフェロモンがついていた可能性があります。
猫がニオイをかいで口を開けてしまうのは「フレーメン反応」と言って、フェロモンのニオイを嗅ぎ分けるときの反応で、飼い主さんの靴が臭いというわけではありません。
猫がフレーメン反応をしやすいのは、フェロモンが含まれる猫のおしっこ、他の猫のニオイ、人の汗のニオイ、ハッカ系のニオイです。
飼い主さんのニオイが好き
ただただ飼い主さんのニオイが好きで、その靴のニオイをずっと嗅いでしまうという猫もいます。
靴のニオイを嗅いで、くねくねとマタタビを嗅いだときの反応をする猫もいるのです。実は人の足のニオイには、マタタビに似た成分が含まれている、とも言われています。
猫が「靴のニオイをかぎ倒す」行為はやめさせたほうがいい?
猫が靴のニオイを嗅いでしまうことを放置しない方がいいと思われる理由は、靴のニオイを嗅ぐ行為そのものではなく、その行為をきっかけに以下のようなことを引き起こすからではないでしょうか。
誤飲に注意
猫は細長い紐状のものにじゃれるのが好きです。靴のニオイを嗅いでいるうちに靴紐にじゃれて、噛んで遊んでいるうちに飲み込んでしまう可能性があります。
紐状のものは飲み込むと腸をたぐりよせ、腸閉塞を起こすことがあるのです。
そもそも愛猫が近寄ることができない場所に靴を片付けておいた方が安心でしょう。
寄生虫に注意
猫に感染する寄生虫が靴に付着していると、猫が靴のニオイを嗅いだり、玄関でゴロゴロしたりしているうちに感染する場合があります。
脱走防止のためにも、猫が玄関に近づけないようにしておくと安心でしょう。
まとめ
猫が飼い主さんの「靴のニオイをかぎ倒す」のは、家の外のニオイや他の動物のニオイが気になるためです。なかには、大好きな飼い主さんのニオイを嗅いで安心している猫もいます。
しかし、靴紐の誤飲や寄生虫の感染のリスクを考えると、猫を玄関に近づけないようにして、靴のニオイを嗅がせないほうが安心といえるでしょう。
愛猫には靴のニオイ以外のものに関心を寄せてもらって、安全な毎日を過ごして欲しいですね。