猫の『健康診断』では何をすればいい?やるべき検査項目や頻度を解説

猫の『健康診断』では何をすればいい?やるべき検査項目や頻度を解説

愛猫の健康を守るうえで、健康診断は非常に重要です。ただ、初めての方にとっては、内容がよくわからないのも確かでしょう。今回は、健康診断の検査項目の概要と年齢別の頻度をあわせて紹介します。今後の愛猫ライフに役立ててみてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

健康診断の意義

聴診器と猫

人間社会と同様に、猫も高齢化が進んでいます。愛猫に健康で長生きしてもらうためには、病気の早期発見・治療につながる健康診断が不可欠です。

猫のかかりやすい病気(腎臓病、尿石症、膀胱炎、甲状腺機能亢進症など)は、いずれも兆候があらわれにくく、異常が発見された時点ですでに手遅れというケースもあります。

さらに、野生時代からの習性で、猫は体調不良を隠すのが上手です。飼い主さんですら簡単には見抜けません。

定期的な健康診断を受けると、数値上で健康状態を具体的に把握できるため、異常にも気づきやすくなります。また、たとえ何かの病気が見つかっても、迅速に治療できるのもメリットです。

健康診断にはどんな検査項目があるのか?

検査中の猫

動物病院によって多少の違いはありますが、「キャットドック」(猫の総合健康診断)を一例に、代表的な検査項目を紹介します。

問診

ここでは、常食フードなどの生活環境全般の聞き取りを行います。何か心配なことがあれば、このタイミングで獣医師さんに相談してみてください。

身体検査

体重・体長測定はもちろん、視診、触診、聴診を通じて、体調の異変を調べます。重点項目は、目ヤニをはじめ、歯石・口内炎、さらにリンパの腫れがあるかどうかなどです。

尿・便検査

あらかじめ採取した尿や便について検査します。自宅での採取が難しい場合は、動物病院でも可能です。

尿検査では、尿内のpH値、尿糖、尿たんぱく、細菌・結晶の有無などをもとに、泌尿器系(膀胱、腎臓など)の病気や糖尿病の兆候を確認。

便検査では、寄生虫がいるかどうか、血液が混じっていないかなどをチェックします。

血液検査

一般的に「血液生化学検査」と「完全血球計算」があります。前者は、各臓器の状態、後者は赤血球や白血球などの割合を調べるものです。

この検査を通じて、腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症、フィラリアなどの発症の可能性がわかります。

この他にも、「レントゲン検査」や結石・腫瘍などを見極める「エコー検査」などがあり、詳しい内容は動物病院に改めて問い合わせてみてください。

成猫の場合は年に1回が目安

キャリーバッグと猫

ひと通りの検査内容がわかったところで、次に気になるのは、健康診断を受ける頻度でしょう。一般的な目安として、子猫期(1歳未満)では月に1度、成猫期(1~7歳)は年に1度、シニア期(7歳以上)では半年に1度が理想的です。

動物病院ごとに費用は異なりますが、約5000~10000円前後が健康診断の基本的な相場です。たとえば、CTやMRI、心電図検査など、オプション検査を追加すると、別途、費用がかかります。

動物病院へ健康診断に行く前に、キャリーバッグに慣れてもらっておくと、いざというときに助かります。

慣れてもらうコツは、キャリーバッグをインテリアのひとつとして部屋に置いておくこと。また、キャリーバッグの中でごはんやおやつをあげるのも効果的です。

まとめ

動物病院にて猫と医師、女性

愛猫にはできるだけ長く健康でいて欲しい。飼い主さんの共通した願いでしょう。

猫がかかりやすい病気、とりわけ、泌尿器系の病気(腎臓病、尿石症など)は、症状として目立ちにくく、気づかない間に悪化している場合もあります。定期的な健康診断を通じて、危険の種を早めに摘むことが大切です。

今回、紹介した内容を手がかりに、愛猫の健康を末永く守ってあげてください。

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