「猫に必要な運動量」ライフステージ別の目安
ご自宅の愛猫は運動が好きなほうですか。それとも、のんびりと過ごしがちでしょうか。
猫本来が持つ活発性については、猫種や性格による差がどうしても見られます。もちろん年齢による違いもありますが、健康寿命を伸ばすためには、トータルで10分から20分程度は体を動かす必要があります。
とはいえ、どのように導けば理想を叶えられるのか疑問に思うところですよね。
そこで今回は、3つのライフステージ別に、「猫に必要な運動量」について解説します。効果的な運動方法もあわせて紹介しますのでぜひ参考にしてくださいね。
1.生後6ヶ月までの子猫期
子猫期は好奇心旺盛で、起きている時間帯は割と活発に動き回ります。単独の飼育でも、蹴りぐるみやぬいぐるみ系のおもちゃを渡すとひとり遊びを楽しんでくれるでしょう。
多頭飼育の場合は、先住動物を追いかけたり、じゃれ合ったりすることで充分な運動量を確保することが可能です。
子猫期は比較的、理想の運動時間を稼ぐことが楽な時期です。ただし、次のステージに進む過程で飼い主さんとの遊びが重要になっていきます。そのため、お迎えした頃から積極的に遊びに関わることをおすすめします。
2.生後半年の幼猫から7歳までの成猫期
徐々にオトナへと近づく生後半年頃の幼猫から、シニア手前の7歳頃の成猫期にかけても充分な運動量を稼ぎたいところです。
先ほどもお伝えしたように、子猫時代は自ら積極的に遊んでくれるのでさほど苦労はないでしょう。問題は、2歳を過ぎたあたりから訪れる「まったり化」です。このころの猫ははしゃぐよりもゆっくり寝ている姿の方をよく見かけるようになり、遊びに誘っても少し遊んでやめてしまうことが多くなります。
ひとり遊びの頻度が減少する分、飼い主さんの介入が明暗を分ける時期になります。
そこで取り入れてほしいのが、上下運動です。
じゃらし系のおもちゃでキャットタワーの昇降を促したり、いわゆるカシャブンを用いてジャンプ運動をさせてみてください。アクロバットな動きを動きをさせることで、1回1回の遊びが短いものであっても理想的な運動量を賄うことができます。
3.7歳以降の老猫期
猫は概ね7歳を過ぎたあたりから運動量が減り、寝て過ごすことが多くなります。若い成猫と比べると遊びに対する興味もなくなりはじめる時期です。
10歳を超えると本格的な老猫期がスタートするのですが、介護予防の観点からやはり運動は必須です。
シニアの猫に対しては、激しいジャンプ運動は推奨できません。シニア期に入ると徐々に関節炎の発症が増え、激しい運動や症状を悪化させてしまいます。
その代わり、穏やかな遊びを取り入れてみてください。例えば、布の間からじゃらしを出し入れする獲物探しです。
実際に飛びつくことがなかったとしても、脳に刺激を与えることができるので認知症の予防に役立ちます。
後は日常生活の中で、どれだけ動くかが鍵を握るでしょう。敢えてトイレの場所と食事のスポットを離すことで自ずと歩く習慣ができます。このような単純な動作でも、運動には違いありません。些細なことで構わないので、ある程度の歩数が稼げるように工夫してみてください。
まとめ
室内飼いの猫には、1日あたりトータルで10分から20分の運動量が必要なのですが、愛猫はこの理想的な運動量をこなせていそうですか?
運動不足や肥満を予防することは、糖尿病や認知症、心疾患などを予防するうえでとても大切です。
現状は不足しがちという場合でも、まだ間に合います。それぞれのライフステージに合わせた運動を取り入れてみてください。
ちなみに猫の理想体型は、猫種を問わず背中に触れた際にあばら骨を認識できることと適度なクビレが腰にあることです。これ以下でも上回っても健康的とはいえません。
愛猫が楽しみながら体を動かして、かつ健康寿命を伸ばしていけるようにサポートしてあげましょう!