猫が高所から飛ぶ『フライングキャットシンドローム』症状や原因、対処法を解説

猫が高所から飛ぶ『フライングキャットシンドローム』症状や原因、対処法を解説

愛猫が突然高い場所から飛び降りる姿を見たことはありませんか?もしその行動が頻繁に見られるなら、それは『フライングキャットシンドローム』かもしれません。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

『フライングキャットシンドローム』とは

ジャンプする猫

『フライングキャットシンドローム』は、猫が高所から飛び降りる行動のことです。日本語名では「猫高所落下症候群」、別名「ハイライズ症候群」と呼ばれることもあります。

この行動は猫の自然な探求心と運動能力を反映しているものの、無謀な行動により危険な状況を招くことがあります。

主な症状

『フライングキャットシンドローム』で見られる主な症状には、猫が高所に対して異常なほどの興味を示すことが含まれます。ときに、その高さは数十メートルを超えることもあります。

また、特徴的な症状として、飛び降りる際の計画性の欠如があります。

猫は通常、着地する場所や方法を瞬時に計算する能力に優れていますが、『フライングキャットシンドローム』に影響を受けた猫は、しばしばこれを無視して無謀な飛び降りを試みます。

さらに『フライングキャットシンドローム』の猫は高い場所からの飛び降りを繰り返すことが一般的です。

『フライングキャットシンドローム』になる原因は?

ジャンプする子猫

『フライングキャットシンドローム』になる原因は、正直はっきりわかっておりません。しかし複数の要因が組み合わさって生じると考えられています。以下にその主な原因を詳しく解説します。

若い年齢と発達段階

『フライングキャットシンドローム』と診断された猫のうち、約6割が1歳未満の子猫であったという調査結果があります。

この時期の猫は、高い場所からの飛び降りを含む冒険的な行動を通じて、自己の身体能力の限界を探る傾向にあります。

また、猫の視力はあまり良くなく、6メートル以上先は見えにくいとされています。マンションの高層階などの高い場所では、遠近感がつかめなくなっている可能性もあるのです。

過剰な探求心と好奇心

猫は本能的に新しい環境や未知の物体に対して、強い好奇心を持つのが一般的です。

高い場所からの視界は周囲の環境を一望できるため、探求心を刺激し、飛び降りる誘惑に駆られやすくなるとも考えられています。

運動能力の過信

猫はその柔軟な体と卓越した運動能力によって、高い場所へのジャンプや着地を自在にこなすことができます。

この能力に自信を持ちすぎることで、危険を伴う高度な行動に出ることがあります。

猫は自身が安全に着地できると過信しがちですが、常にそれが成功するとは限りません。

他には虫などに気を取られることなどが原因としても考えられています。

『フライングキャットシンドローム』の対処法

窓際の猫

『フライングキャットシンドローム』に対する対処法は、猫の安全を守りつつ、その自然な行動を適切に管理するために重要です。以下に具体的な対処法を詳しく解説します。

環境の安全化

特に3階以上の高さに住んでいる方は、不慮の事故とならないよう窓を開けたままにしないなど対策が必要です。

また、高い場所に行けなくするために、猫が登れないような障害物を設置することも効果的でしょう。

適切な運動

猫が運動不足にならないよう、定期的に遊びや運動の時間を設けることが大切です。

レーザーポインターや羽根つきの玩具などを使用して、猫が安全な地上で活動することをうながします。

キャットタワーや爪とぎポストなど、運動と探索を促す猫用のアイテムを用意することで、猫の注意を引きつけ、高所への関心を他に向けさせることができるでしょう。

監視としつけ

猫が高い場所に登る際は常に監視を続け、安全な行動を促すようしつけることが効果的です。

猫に「ノー」と言って行動を制止させる訓練を行うことで、危険な行動を事前に防ぐことができます。

まとめ

ベランダによじ登る猫

『フライングキャットシンドローム』は、特に若い猫に見られる行動であり、高い場所から飛び降りる原因不明の症候群です。

思わぬケガを未然に防ぐためには、飼い主が適切な対策を講じることが重要です。

猫の安全を守るために、家庭内の環境を猫にとって安全かつ魅力的なものに整えましょう。

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