1.あごの下
猫が撫でられて喜ぶ場所は、口の下のさらにあごの下です。
猫はセルフグルーミングをする動物ですが、いくら体がやわらかい猫でも、あごの下までは自分の舌は届きません。自分でケアできない場所だからこそ、よけいに気持ちが良いと感じるのです。
触り方の基本は、あごの下から喉にかけてやさしく指をすべらせます。最初は一方向に、慣れてきたら時折往復させるように逆方向に撫でるのも効果的です。
猫は気持ちが良いと「ゴロゴロ」と音を鳴らすので、この「ゴロゴロ音」を指で感じながら撫でてみましょう。
2.額
猫は生まれてすぐ、お母さん猫から額をペロペロと撫でられて過ごします。だからこそ猫は額を触られると、無意識のなかに安心感や心地よさを回顧し、子猫時代に戻ったような気持ちになるのかもしれません。
猫をなでるときは、鼻筋のあたりから眉間を通って耳の間まで指を登らせる感じで撫でます。お母さん猫はわりと強めに舐めることが多いため、指圧もしっかりさわっている感じで大丈夫です。
また「歯ブラシ」を使うと、より猫は気持ちが良いそうです。きっと「お母さんにお世話してもらっている感じ」が蘇るのかもしれませんね。
3.頬
猫が柱や家具の角に頬をこすりつけているところを見たことはありますか。この仕草でわかるように、猫は頬もさわられると気持ちよい場所です。
撫で方のコツは、ヒゲの付け根付近をスタートし、ヒゲが伸びている方向に優しく指をすすめること。また目頭より少し下から頬骨を通り、こめかみに向かうラインもなでると喜びますよ。
ただし、頬に近い部分で、ヒゲの付け根である「ヒゲ袋（ウィスカーパッド）」はとても繊細です。複数の欠陥や神経が集中している場所なので、強く触れることは避けましょう。
中には「ヒゲ袋」を撫でると喜ぶ猫もいますので、猫の様子を見て喜んでいるのか嫌がっているのかを判断してください。
4.しっぽの付け根
背筋からおしりの方に向かった「しっぽの付け根」をさわると喜ぶ猫もいます。
しっぽにはたくさんの神経があり、また生殖器につながるデリケートな部位なので、強く擦ったり叩いたりするのはNGです。軽くトントンとたたく程度にしておきましょう。SNS等では「おしりトントン」と呼ばれている撫で方です。
なお、しっぽの付け根に関しては嫌がる猫もいます。また気分次第では喜ぶこともありますが、タイミングによっては不機嫌になる猫も。そのためこの部位は、愛猫が「撫でて！」「もっとして！」というサインを見せたときにだけ撫でてあげてください。
まとめ
今回解説した部位からわかるように、猫が撫でられて喜ぶ場所は顔の周りに集中しています。
実は猫の顔の周りにはフェロモンを放出する臭線がたくさんあり、その多くが「額」や「顎」「頬」「口周り」などの今回解説した場所にあるからかもしれません。
ただし、猫の性格や関係性、タイミングによっては撫でられたくない、ということがありますので注意が必要です。
猫をなでて心地よくなってもらうためには、まずは猫との距離を縮めて信頼されることが先決のようです。