獣医に行ったことがない愛猫
今回ご紹介する英国在住の男性は「一度も愛猫を獣医に診せたことがない」といいます。しかも彼は、「うちの子は、生存する猫のなかで最年長の29歳だ」と主張しています。
彼の名はLeslie Greenhoughさん(69歳)です。愛猫のサビ猫「Millie」と暮らしています。
Leslieさんによると、猫の長寿の秘訣は「ソファでのんびり抱っこすること」「たくさんおやつをあげること」だそうです。缶詰のツナやエビを与えることもあるとか。
1995年、この猫が生後3ヵ月のときに亡妻Paulaさん(享年55歳)がひきとり、育ててきました。猫が16歳のときにLeslieさんと知り合い、2人は2012年から付き合い始め、2014年に結婚したといいます。
Millieは一度も獣医を訪れたことがなく、鶏肉と市販のキャットフードを混ぜた食事をずっと与えられてきました。
残念なことに、Paulaさんは2020年にコロナにかかって亡くなったため、Leslieさんが猫を育てることになったのです。
人間ママさんを失い、2人暮らしに
「Millieは元気で、29歳だなんて信じられないよ。まだ左右に跳びはねることもできるんだ。もっとも、最近は少し動作が遅いけどね」というLeslieさん。
「ほかの猫がいない静かで平和な暮らしが、この長寿につながったと思う。ぼくの知る限りでは一度も獣医に行ったことがないし、病気になったこともないんだよ。もっとも、このごろ少し耳が遠くなってきたようだけど。最近は、ぼくのベッドで一緒に眠るのがお気に入りのようだね」
Leslieさんが亡妻に出会ったのはデート・サイト上です。ネットで会話中に後ろで聞こえて来る猫の鳴き声に気づいた彼は、すぐにPaulaさんからMillieのことを紹介されたといいます。
子供のときに猫を飼っていたものの、その後はペットを迎えず過ごしてきた彼ですが、出会った瞬間からMillieがやさしくて愛らしい猫だとわかりました。
「ずっと近所の猫たちにいじめられてきたので、もう家の外にはまったく出なくなったね。用心深くて臆病な猫だから。でもそのことで、これほどの長寿を達成できたのだと思うよ」
Paulaさんが亡くなったのは、Millieにとってもショックでした。当時は餌を食べなくなったといいます。
「ぼくにも、この猫にも、とても辛い時期だったな」と振り返るLeslieさん。
「妻が亡くなる前から、猫とぼくの絆はしっかりできていたんだ。ぼくの膝に乗る猫を見て、彼女はよく『ずいぶんパパのことが好きなのね』といっていたよ」
ギネス記録への申請を準備中
餌をまったく摂らなくなったMillieに、彼はエビやチキンを与えて何とか食べさせようとしたそうです。そんな努力が実って、やがて徐々にキャットフードを食べられるようになったのでした。
Leslieさんは、愛猫を「ギネス世界長寿記録」に申請しようと考えています。これまでの生存する最長寿猫は、1995年12月29日に生まれたFlossieの28歳でした。
引っ越しを考えているLeslieさんですが、愛猫のことを考えると二の足を踏んでしまうといいます。
「引っ越しはストレスで、Millieには耐えられないだろうね。とにかく亡妻の形見なので、大事にしたい。彼女が愛したMillieが、こんなにすばらしい猫だということを、多くの人々知ってもらいたいな」と彼はいいます。