エンジェルマークの由来とは
『エンジェルマーク』とは、黒猫の体の一部にある白い毛だけが密集した部分を指し、胸やお腹にあることが多く、大きさや形に決まりはないようです。
黒猫のエンジェルマークには「天使が触れたあと」「幸福を呼ぶ猫の印」といった意味があるのですが、それには中世ヨーロッパで起きた悲しい過去が関係しています。
黒猫は、中世ヨーロッパで「魔女の使い」とされており、不吉な存在として扱われていました。
そのため、その後に起こる魔女狩りでは、黒猫も一緒に迫害されたといいます。
しかし、体の一部にエンジェルマークのある猫は、完全に真っ黒ではないため、「魔女の使いではない」とみなされ、迫害を受けずに済んだのだそうです。
そのようないきさつから、現代も体の一部にエンジェルマークがある黒猫が多いと考えられています。
黒猫は日本で福猫として扱われていた
中世ヨーロッパでは不吉な存在とされていた黒猫ですが、日本においては「福猫」として大切にされていました。
黒猫は「暗闇でも目が見える」という理由から、幸運、商売繁盛、魔除けの象徴と信じられていたそうです。
また江戸時代では、黒猫を飼っていると、不治の病として恐れられていた結核が治るという迷信があったのだそう。
ちなみに、夏目漱石の『吾輩は猫である』の主人公の猫は、夏目漱石が飼っていた黒猫がモデルになっており「福猫」として夏目漱石夫妻に可愛がられていたそうです。
このように、日本では黒猫は福猫として親しまれていましたが、明治以降に西洋の黒猫に対する考え方が流入したことがキッカケとなり、日本でも「黒猫は不吉」「縁起が悪い」と言われるようになったそうです。
黒猫にまつわる記念日
世界には、黒猫のマイナスなイメージを払拭するための記念日があることをご存知ですか?
先ほどお話したように、世界では黒猫にまつわる悲しい過去があったこともあり、いまだに「黒猫は不吉な存在」と考える人も少なくありません。
そのため、悪いイメージを払拭したり黒猫を守るための記念日が制定されています。
8月17日『黒猫感謝の日(アメリカ)』
『黒猫感謝の日』は愛猫家だったアメリカ人の男性が、飼っていた黒猫の死を追うように亡くなってしまったことをキッカケとして制定されました。男性と黒猫の深い絆を称えて、男性の命日である8月17日を『黒猫感謝の日』に制定したのだそうです。
10月27日『全英黒猫の日(イギリス)』
『全英黒猫の日』は、イギリスの動物愛護団体「Cats Protection」によって制定されました。「黒猫は不吉」との考えや「黒猫は写真映えしない」との理由で里親が見つかりにくいため、黒猫の魅力を広めるために制定された記念日です。
11月17日『イタリア黒猫の日(イタリア)』
『イタリア黒猫の日』は、2007年にイタリアの動物愛護団体によって制定されました。黒猫は「魔女の使い」「不吉の象徴」という迷信をいまだに信じる人が多いため、迷信を払拭して黒猫を守るために『イタリア黒猫の日』という記念日が制定されたそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、黒猫の体の一部に見られる『エンジェルマーク』と黒猫にまつわるエピソードについてお話しいたしました。
『エンジェルマーク』は、あまり耳馴染みのない言葉ですが、伝説や迷信が関係していることがわかりました。
黒猫は「不吉の象徴」というジンクスがある一方で、日本では昔から福猫として扱われ、愛されてきたそうです。
黒猫を目にする機会があった場合は、その魅力的な姿をじっくりと観察してみてください。その可愛らしさに、きっと幸せな気持ちになれるでしょう。