1.おもちゃ感覚で楽しいから
猫には好奇心旺盛な一面もあるので、ひも状のものを見ると、気になって飛びつくことがあります。
部屋のあちこちに延びる電気コードも、テレビやパソコン、スマホ充電器用といったものだとは思いもしません。猫にとってはただのひも状のものです。おそらく、「面白いもの、見っけ!」という心境なのでしょう。
興味を抱いた対象にかじりつきたくなるのも猫の習性です。変な言い方になりますが、電気コードは適度な歯応えもあります。じゃれるとまるで生き物のように動くので、猫からすれば、おもちゃと同じ認識なのかもしれません。
本来の遊び道具そっちのけで、電気コードに夢中になっているなら、いっしょに遊ぶ時間が足りない可能性もあります。噛み癖が定着してしまう前に、市販のおもちゃなどをフル活用して、しっかり遊んであげましょう。
2.飼い主さんにかまってもらいたい
人間の場合、自覚なしにストローを噛んでしまう人の深層心理には、欲求不満や幼少期の愛情不足などが隠されている、と言われています。どうやら猫にもその心理が当てはまるようです。
放ってかれたとき、あるいは、自分の要望を押し通したいとき、電気コードをカミカミする子もいます。
電気コードをかじり始めると、やめさせようと飼い主さんが飛んできます。猫にもそのことがよくわかっているはずです。
「電気コードをかじる→大好きな飼い主さんが来てくれる」…そんな行動パターンを予想しているフシさえあります。
忙しくてちゃんとかまってあげられなかったり、自分のことばかりにかまけていたりすると、愛猫は寂しい思いに襲われます。
言うまでもなく、電気コードをかじる癖は、重大な事故に発展しかねません。愛猫を危険から守るためにも、甘えたいそぶりを見せたら、とりあえず、自分のことは後回しにて、十分にかまってあげてください。
3.ストレスが溜まっている
3つ目は、ストレスが原因です。人間と違って、猫は表情に際立った変化がありません。言葉の代わりに、主にしっぽで感情の起伏を表現します。左右にパタパタとしっぽを振れば、不機嫌のサイン。
こんなふうにわかりやすいと助かるのですが、ときに、電気コードをかじる、という行動でストレス状態を訴えることがあります。
前述したように、電気コードはひも状で、戯れると変幻自在に動きます。本人はおもちゃのつもりで遊んでいるのでしょう。
ただ、心理状態を読み取っていくと、溜まったストレスがかじり癖の要因になっているかもしれません。イライラしているときに無意識で爪を噛んでしまう人の心理と同じです。
かじり癖が仮にストレスサインだとすれば、愛猫の気持ちを最大限に尊重し、問題点を改善することが大事です。
たとえば、留守番が多いなど、日頃のお世話の仕方や生活環境を見直すのもポイント。電気コードに代わる素敵なおもちゃをプレゼントするのもいいでしょう。
リスクを避ける対策とは?
電気コードをかじると、深刻な事故につながる可能性があります。しぐさがかわいらしいからと言って、放っておくわけにはいきません。
通電時に感電すると、ショックにより不整脈やひどいヤケド、肺水腫の原因になり、最悪の場合、心肺停止状態に陥ります。発見次第、すぐにやめてもらってください。
安全対策のため、以下の方法を実践しましょう。
- コードカバーを活用する(100均やホームセンターなどで入手可)
- ケーブルボックスにコードをまとめる
- 触れないように配線を工夫する(隠すのも効果的)
- 未使用の電気コードはコンセントごと抜いておく
まとめ
特に子猫は、歯が生え代わる時期にコードをかじりたがります。いったん癖がついてしまうと、なかなか変えられません。
大人になると、ストレスや欲求不満が引き金になっている場合があります。飼い主さんは、日頃から愛猫の様子を観察し、問題がないか、チェックすることが肝心です。
もし電気コードをかじって感電してしまったら、愛猫を触らずに、まず電源を抜き、速やかに動物病院へ連れて行ってあげてください。