なぜ猫のお腹は白いのか
猫の被毛には、さまざまな色や柄のパターンがありますよね。
さらに、猫のお腹の色に着目してみると、背中側の毛色と比べて白っぽい色をした猫が多いことにお気付きの方も多いと思います。
猫に限らずほとんどの動物に言えることなのですが、背中の濃い色からお腹へかけて被毛の色が薄く白っぽくなっていく傾向があるのだそうです。
これは、動物が身を守るための「保護色」の役割を果たしていると言われています。
お腹が黒くて背中が白い猫がいないのも「保護色」が関係しており、太陽の光が真上から当たる頭や背中側には濃い色の被毛が生え、光の影になるお腹側に白っぽく明るい被毛が生えています。
このように毛色の配色が保護色の役割をすることで、身体の立体感が出にくく周囲の景色に溶け込みやすくなるのだそうです。
天敵から身を守ったり獲物を待ち伏せしやすくなるので、保護色は自然界を生き抜くために大事な役割を果たしているといえます。
また、砂漠地帯で暮らしていた、猫の祖先でもあるリビアヤマネコのお腹の白い被毛は、強い照り返しを反射させて地面の熱の影響を受けにくくする役目もあったようです。
猫の毛色や柄が決まる順番
猫の被毛は、色や柄が付く順番が決まっており、一番初めは頭と尻尾に色が付くと言われています。
頭に色や柄が付いている場合、必ず尻尾にも色や柄が付いており、頭か尻尾のどちらかにしか色が付いていない猫はほとんどいないのだそう。
猫の毛色は、四つ足で立つ猫の真上から絵具を垂らすように色が付いていくと言われています。
頭と尻尾の次に色が付くのは背中で、最後にお腹に色や柄が付くという順番があるそうです。
このような法則があることを考えると、お腹が黒くて背中が白い猫がいないのも納得ですよね。
ちなみに、日本の猫で一番多い模様は「キジトラ」
猫には、黒猫、白猫、茶トラ、サビ猫などさまざまな色や模様がありますよね。
その中でも、日本で一番多いのは「キジトラ柄の猫」なのだそうです。
さらに、猫のルーツをたどると、もともと猫は茶系のしま模様であるキジトラ柄しか存在しなかったと言われています。
猫の祖先であるリビアヤマネコが、このキジトラ柄を持っており、砂漠の色に溶け込みやすい色や模様が保護色の役割を果たしていたとされています。
稀に突然変異でキジトラ柄以外の猫もいたようですが、ほかの動物に狙われやすく生き残るのが難しかったと考えられています。
その後、猫が人間と一緒に生活するようになると、キジトラ柄以外の猫も生き残れるようになったため、現在のようなさまざまな色や模様の猫が増えていったのだそうです。
猫の模様が1種類しか存在しなかった時代から時を経て、現在日本で一番多いのが「キジトラ」であることや多種多様な色や模様の猫が存在することを考えると、感慨深くてロマンを感じますよね。
なお、キジトラのお腹は、縞模様やヒョウ柄であることが多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、猫のお腹の柄にまつわる不思議な法則や、猫に多く見られる模様についてお話しいたしました。
お腹が黒くて背中が白い猫がいない理由に、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
猫の被毛は、上から絵具を垂らすように順番に色や柄が付くという法則があり、お腹側が白いのは、保護色の役割を果たしていると考えられています。
愛猫とのスキンシップの時間や近所の猫を目にする機会があった際は、猫のお腹に注目してみると、これまで気が付かなかった新たな発見があるかもしれません。