猫が食べてしまうと『危険な虫』4選とその理由 うっかり口にしたらどうしたらいい?

猫が食べてしまうと『危険な虫』4選とその理由 うっかり口にしたらどうしたらいい?

すばやく動く虫を本能的に追いかけ、ついつい口に入れてしまう猫。食べても問題ない虫がいる一方で、食べてしまうと危険な虫がいるのも事実です。そこでこの記事では、猫が食べると危険な虫を4種類ご紹介します。寄生虫や中毒症状を引き起こす可能性もあるため、飼い主さんは猫に危険な虫について知っておきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫が食べると危険な虫4選

.網戸の虫に手を伸ばす猫

猫が食べると危険な虫は、ハチ・ゴキブリ・ノミ・ハエの4種類です。これらは室内にも簡単に侵入してしまうため、完全室内飼いだとしても油断できません。この章ではこれらの虫が危険な理由や食べてしまったときの対処についてご紹介します。

1.ハチ

猫が生きたハチをそのまま食べてしまうのは危険です。その理由は、食べるときに口の周りや喉を刺される可能性があるからです。

口の周りや喉を刺されると、喉がふさがって呼吸困難におちいる危険性があります。またアナフィラキシーショックを引き起こし、最悪の場合には命を落とすことも考えられます。

ハチに刺されたことで嘔吐や痙攣(けいれん)、よだれなどの症状がみられる場合はすぐに動物病院を受診してください。

なお、ハチに刺された様子がなく、食べても愛猫が元気にしている場合は問題ないことも多いですが、念のため獣医師の診察を受けるようにしましょう。

2.ゴキブリ

予測不能な動きをするゴキブリは、猫にとっては本能を刺激する魅力的な獲物です。

とはいえ、不衛生な環境で生きるゴキブリにはさまざまな菌や寄生虫がいます。もし猫が食べてしまえば、菌や寄生虫が猫に感染してしまう可能性も否定できません。

さらに、ゴキブリが駆除薬を摂取していた場合、そのゴキブリを食べた猫は間接的に毒物を体の中に入れることになります。猫がゴキブリを食べてしまったら念のため獣医師の診察を受けるようにしましょう。

3.ノミ

猫がノミを食べたり接触すると「条虫」に感染する恐れがあります。条虫(じょうちゅう)は、ノミを中間宿主とすることで知られています。

猫が条虫に感染する経路は以下の通りです。

  • 1.条虫の幼虫がノミの体内で成長する
  • 2.ノミが猫に寄生する
  • 3.猫が毛づくろいした時にノミを食べる
  • 4.条虫が猫の腸内で成長し繁殖する

多数寄生すると食欲不振や下痢、出血性腸炎などを引き起こす恐れがあります。お尻から紐状のものが出ていたり、寝床に米粒のようなものがたくさん落ちている場合は、感染している可能性が高いため、すぐに動物病院を受診してください。

4.ハエ

ハエはさまざまな病原体を運んでいます。

猫がハエを食べて病気になる可能性は低いですが、ハエが多数存在しているようなごはんを口にすることで体調不良を起こす可能性はゼロではありません。ごはんの質の劣化も考えられます。

もし猫が多数のハエが関与していたごはんを食べたあとに下痢や嘔吐、発熱などの症状があった場合は、その時に食べていたものや嘔吐物を持って、速やかに動物病院を受診してください。

健康を害するレベルのハエによるごはんの質の劣化などを防ぐためには、猫の食事を出しっぱなしにしない、ハエがとまった食事は交換する…などの対策を徹底しましょう。

まとめ

.蝶々を見つめる子猫

猫は本能や好奇心から危険な虫を食べてしまうことがあります。食べてもピンピンしているようであれば問題ないケースもありますが、下痢や嘔吐などを起こしている場合は速やかに動物病院を受診することが大切です。

室内にも簡単に侵入する小さな虫を完全に防ぐのは難しいかもしれません。ですが、愛猫の健康と安全を守るためにも、飼い主さんはできる限りの対策をするようにしましょう。

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