猫はどんなときに機嫌を損ねるの?
愛猫にとって明確に嫌なことがあった場合は、もし機嫌が悪くなっても対処しやすいです。
しかし、愛猫の方から甘えてきたからそれに応えて撫でていただけなのに、なぜか突然威嚇されたりひっかかれたりした経験を、多くの飼い主さんがお持ちなのではないでしょうか。この場合は原因が不明なので対処のしようがない場合も。
猫も人と同じように、ストレスが溜まったり嫌なことがあると、途端に機嫌が悪くなります。猫のストレス源には、「思い通りに動き回れない」「外の騒音や室内の家電品の稼働音などがうるさい」「芳香剤やタバコなどのニオイがする」などの環境面に起因することが多いです。
また、猫の嫌なことには、「毎日が退屈」「毎日同じフードが出されるので飽きた」「突然見知らぬ人が訪ねてきた」「動物病院に連れて行かれて痛い思いをした」などの、日々の生活スタイルや突然の出来事などに関係したものがあります。
そしてこれらのような明確な不機嫌理由以外にも、冒頭で書いたように、気持ちよさそうに撫でられていたのに突然機嫌が悪くなり、威嚇してきたりひっかいてきたり、という理不尽なご機嫌の悪さを見せられることがあります。
環境や出来事に起因したわかりやすいストレスの他にも、猫には「かまわれすぎ」「撫でられすぎ」というような「限界値を超えた刺激」によって入る不機嫌スイッチがあるのです。
そこで今回は、実際に機嫌が悪くなってしまった愛猫に対しての対処法について解説します。愛猫のご機嫌に振り回されてるとお悩みの飼い主さんはぜひ参考にしていただければ幸いです。
「ご機嫌が悪い猫」への対処法
ではここからは、「ご機嫌が悪い猫」への対処法を具体的に解説していきます。さまざまな対処法を試すことで、自然と愛猫のご機嫌も直っていくかもしれませんのでひとつずつ確認しておきましょう。
1.何もせずに離れる
一旦愛猫の機嫌が悪くなった場合の鉄則は、『何もせずに距離をおいて、そっとしておくこと』です。
なぜなら、すでにご機嫌が悪い愛猫に対して何をしても無駄だからです。もしかしたら自分に対して機嫌が悪いかもしれないのに近づいて構ってしまっては、結果的にはイライラや恐怖心、警戒心を煽るだけで、落ち着かせることができないからです。
愛猫の不機嫌スイッチに気付いたら、まず何もせず、一旦距離をおいて静かに見守りましょう。そして、愛猫の気が静まるのを待つ間、不機嫌の原因が何なのかを探りましょう。
2.不機嫌の原因を取り除く
ご機嫌な愛猫をそっとひとりにしておく間に、究明した不機嫌の原因を取り除いたり、軽減したりする策を練りましょう。
例えば、毎日留守番ばかりで退屈している場合は、毎日一緒に遊ぶ時間を作ってください。猫じゃらしを獲物に見立てた狩りごっこを1回15分程度を目安にするだけで、十分ストレス発散になります。
毎日同じフードで飽きてしまった場合は、愛猫の好みの味のフードを数種類把握しておき、時々ローテーションするようにして飽きさせないように工夫しましょう。
動物病院は猫にとって何よりも嫌な場所ですが、行かないわけにはいかない場所です。動物病院でおとなしく検査や診察を受けた直後におやつをあげるといったご褒美方式で、「動物病院に行くと良いことがある」と覚えてもらうようにするとよいでしょう。
3.愛猫が過ごす環境を見直す
思うように体を動かせない場合は、広くなくても良いので、棚を利用したりキャットタワーを設置したりして、愛猫が空間を立体的に使えるようにしてください。猫は高い場所を好むので、毎日空間を上手に利用して遊びます。
また、爪とぎの役割は、現在の爪を剥がし、下の層に生えてきた新しい爪を表に出すことです。こうして猫は常に鋭い爪を維持していますが、同時に爪とぎによってストレスも発散しています。愛猫が爪をとぎたがる場所には爪とぎを設置し、思う存分爪をとげるようにしましょう。
なお、外の騒音や車のライトが入ってくるような場所や、冷蔵庫などの稼働音が聞こえる場所は、猫にとって落ち着けない場所です。そのような場所に猫のトイレやベッド等が設置されていると猫はなかなか落ちつけません。
もしそのような場合は、静かで人通りが少ない、猫に過ごしやすい場所を複数見つけ、そこに愛猫の寝床や隠れ家を作ってあげましょう。来客などのストレス源に対して自衛できるようになります。
猫と上手に付き合うために
環境要因や日常生活における出来事をきっかけに不機嫌になる場合は、その原因を取り除いたり影響が軽減されるように工夫すれば、愛猫をストレスから守ることができ、不機嫌にさせることも減らせるでしょう。
しかし、限界値を超えたストレスによる突然の不機嫌スイッチには、なかなか対応できないと悩んでおられる飼い主さんもおられるでしょう。
実は、愛猫は事前に飼い主さんに対して「そろそろ限界!」とサインを出しています。そのサインに気付ければ、愛猫の不機嫌スイッチが入る前に猫をかまったり撫でたりするのをやめられます。
どんなときでも愛猫の様子を観察し、もし下記のサインが愛猫に見られた場合は、限界スイッチが入る合図と考え、愛猫を解放しましょう。
- しっぽを大きく左右に振る
- しっぽをバタンタバンと床に叩きつける
- 低く唸るような声を出す
- 耳を後ろに倒す
- 耳をピンと張った状態で後ろに向ける
- 身をよじるなど、その場から離れようとする
- しっぽをふくらませる
これらのサインを見逃してしまうと、唸り声はシャーッという威嚇に変わり、爪を出した状態での猫パンチや、場合によっては咬み付きなどの攻撃を受けることになるため、気をつけましょう。
まずは愛猫のストレスとなる原因を極力なくし、愛猫が過ごしやすい環境を整えましょう。そして愛猫の様子をよく観察して、不機嫌スイッチが入る前に愛猫を解放することを心がければ、愛猫の機嫌を損ねる頻度を減らすことができるでしょう。
まとめ
今回は、「ご機嫌が悪い猫」への対処法について解説いたしました。
突然愛猫の機嫌が悪くなり、爪を出した状態でひっかかれたり、シャーッと威嚇されたり、場合によっては咬まれたりすることがあります。
そのような場合は、機嫌を取ろうとして優しく声をかけたり撫でたりおやつをあげたりするよりも、一旦愛猫のそばから離れることが、愛猫を落ち着かせる早道です。
愛猫のストレス源を極力減らすことで、できるだけ不機嫌にさせることのないように過ごさせてあげましょう。