猫の遊びは狩りのシミュレーション
自由に家の外に出ることがなくなった現代の猫たちは、ひとりで留守番をする時間が長くなり、かといって狩りをすることもできません。結果として、毎日を退屈な思いで過ごしている猫が多いはずです。
生きるために狩りをする必要がなくなった現代の猫たちも、狩猟本能を失ってはいません。身体も、十分に優秀なハンターとして活躍できるだけの能力を備えています。
そのため、現代の猫たちにとって、狩りへの興味は衰えていません。そこで遊びという形で狩りを行うのです。
猫がノリノリになる「猫じゃらしの遊ばせ方」
「猫じゃらしで遊びに誘っても、全然食いついてきてくれない」という飼い主さんの声をよく耳にします。愛猫と一緒に上手に狩りごっこで遊べない飼い主さんは少なくないようです。
そんな飼い主さんは、冒頭で説明しましたように、まず『猫の遊びは、狩りのシミュレーションである』ということを理解しましょう。
猫じゃらしは猫の獲物です。そのことが理解できれば、愛猫をノリノリにさせて猫じゃらしで遊ばせることができます。
そこで今回は、猫がノリノリになる「猫じゃらしの遊ばせ方」について解説します。
1.気付かせる
猫じゃらしで上手に遊ばせるには、クッションやブランケット、空き箱などの身の回りにある日用品を上手に利用しましょう。
まずは猫じゃらしを隠し、先端だけをちらっと見え隠れさせたり、下(中)に何かが隠れているように動かしたりします。
その際、獲物が立てるような音をさせて気付かせるのも良いでしょう。
2.様子を探って待ち伏せさせる
愛猫が猫じゃらしの獲物に気付いて駆け寄ってきたら、より激しくチラチラと見え隠れさせたり、モゾモゾと動かしたりして、猫じゃらしの動きに食いつかせます。
ポイントは、猫じゃらしを動かし続けずに、時々動きを止めることです。そして動かす速度を速めたり緩めたりと変化させることです。猫の獲物になるような生き物はずっと動き続けてはいないですよね。
この動きに食いつけば、愛猫は猫じゃらしの動きを探りながら、姿を現すのを待ち伏せるようになるでしょう。
3.追いかけさせる
ある程度焦らしたら、猫じゃらしの姿を見せて大きく動かし、追いかけさせます。
その際、獲物がネズミなのか、昆虫なのか、小鳥なのか、ヘビなのかなどを想定し、その獲物の動きをできるだけリアルに再現させましょう。
ポイントは、愛猫の動きや反応をよく観察し、愛猫の反応に合わせて猫じゃらしを上手に動かすことです。愛猫が追いつけそうで追いつけない速さや、捕まえられそうで捕まえられない高さにジャンプさせます。
4.捕まえさせる
遊びの最後は、必ず狩りを成功させてください。つまり、猫じゃらしを捕まえさせるのです。そうすることで、狩りが成功した達成感を味わわせることができます。
もし可能であれば、遊びの中で狩りを成功させた後に、本当の食事をさせましょう。そうすることで、猫本来の達成感、幸福感をより感じさせてあげられるでしょう。
なお遊び終わったら、必ず猫じゃらしを手の届かない所にしまいましょう。飼い主さんが目を離しているときにひとり遊びをさせてしまうと、壊して部品などを誤飲してしまうことがあるからです。
安全に遊ばせるためには、片付けるまでを一連のことだと考えましょう。
「猫じゃらしの遊ばせ方」を上手に活用するためのポイント
上記の説明でお分かりいただけたかと思いますが、愛猫の狩猟本能を上手にくすぐることが、猫をノリノリにさせて猫じゃらしで上手に遊ばせるためのコツです。
猫の狩猟本能について正しく理解できていれば、どんな猫じゃらしを使っても上手に遊ばせることができるかもしれません。逆に、そこを理解できていないと、どんな猫じゃらしを使っても愛猫がくいついてくれない可能性も。
そこでここからは、上記の遊ばせ方の根底にある、猫を上手に遊ばせるためのポイントを見ていきましょう。
猫の狩りのスタイルを理解する
夕方や明け方のような薄暗い時間帯になると、猫は小動物が活動を始めるのをじっと待ち伏せします。
十分に引き付けた上で一気に襲いかかり、前脚で抱え込んで喉元に噛み付き、相手の息の根を止めます。
その全過程を、猫じゃらしを獲物に見立てて行うのが、猫の遊びです。
獲物の動きを再現する
猫をその気にさせる最大のポイントは、猫じゃらしを獲物だと思い込ませることです。
そのためには、飼い主さんが猫じゃらしや身の回りの日用品などを上手に使って、獲物の動きをできるだけリアルに再現することが大切です。
愛猫の遊びは、まず獲物を見つけるところから始まります。そこで、猫じゃらしを使って「獲物がいそうだ!」と思わせることが、愛猫を遊びに誘う入口となります。
猫じゃらしを使って、見えない獲物を上手に演じるところから始めましょう。
飽きさせない
猫は物凄い集中力と瞬発力を持っていますが、その反面、持久力がなく飽きやすいです。
そのため、遊んでいても、猫じゃらしが規則的ですぐに次の動きを予測できるような動きだと、すぐに飽きてしまいます。
1回の遊び時間はせいぜい15分程度にし、その間飽きさせることのないように、猫じゃらしを常に「予測のつかない」動かし方で操りましょう。
まとめ
猫じゃらしで愛猫をノリノリに遊ばせるためには、いかに本物の獲物のように動かせるかが重要なポイントです。
「見つける」→「様子を探って待ち伏せる」→「追いかける」→「捕まえる」というような、狩りの一連の流れをリアルな動かし方で上手に再現するのです。
これができれば、愛猫は狩りごっこで刺激的で充実した毎日を過ごすことができるでしょう。小動物の動きを研究し、愛猫を夢中にさせてあげましょう。