ステキな『別名』を持つ猫種6選 特徴や歴史からつけられた、ユニークな理由とは

ステキな『別名』を持つ猫種6選 特徴や歴史からつけられた、ユニークな理由とは

世界には約60種の猫種が認定されていますが、中には正式名称だけではなく、別名で親しまれている猫種もあるようです。別名を知ることで、その猫の歴史や特徴をより深く身近に感じることができ、その猫を理解するために一役買ってくれることもあるでしょう。今回は、ステキな別名を持つ猫種とその特徴などをご紹介します。

1.シャルトリュー

シャルトリュー

十字軍の騎士が、北アフリカ沿岸地域からフランスのグランド・シャルトリューズ修道院に連れて来た猫が始まりだといわれている「シャルトリュー」は、『フランスの宝』『生きたフランスの記念碑』という別名を持った美猫です。

1723年出版の書籍には『美しい毛皮を取るために飼育されていた』と記されており、その取り引きは20世紀初め頃まで続いていたようで、これが別名の由来のようです。

外見はセミコビーのやや大型の猫で、ブルーグレーでウールのような手触りの被毛が美しい猫です。短毛種ですがオーバーコートはやや長く、硬くて撥水効果を持っています。目の色はカッパーからゴールドで、輝くようなオレンジが好ましいとされています。

シャルトリューは、どんな環境にも順応しやすい上に、人に対する攻撃性が低く、あまり鳴きません。飼い主さんに忠実で、深い愛情を示しますが、用心深く見知らぬ人を警戒します。ただやさしく接すればすぐに懐くでしょう。

2.デボンレックス

デボンレックス

デボンレックスは、クリクリした被毛から『プードルキャット』という別名でも呼ばれています。またユニークなルックスから、「エイリアンキャット」とか「小さな妖精」「猫の妖精」などとも呼ばれています。

この猫種は比較的新しく、1960年にイギリスのデボンで突然変異によって生まれました。

デボンレックスの外見はセミフォーリンの中型で、スレンダーな筋肉質の体で、小さな頭部に付いた大きな耳と、離れた大きな目、細くウェーブがかった被毛が印象的です。

その被毛はさまざまな色とパターンがあり、目の色は毛色と調和した澄んだ濃い色をしています。ヒゲは非常に短いか、または生えていない場合もあります。

デボンレックスは社交的で人懐こい性格をしており、飼い主さんには忠実で深い愛情を示します。またとても賢く、活発によく遊びます。好奇心が旺盛で、とにかくよく動く、愛らしくて憎めない性格です。

3.メインクーン

メインクーン

メインクーンは、体の大きさと性格のおとなしさから『穏やかな巨人』という別名で呼ばれている、北アメリカで最も古い歴史を持つ猫です。

メインクーンという名前の「メイン」は原産地のメイン州から、「クーン」はふさふさの長い尾がラクーン(あらいぐま)に似ていることからきている、といわれています。

その外見は、大型で、ロングアンドサブスタンシャルの、筋肉質でしっかりした骨格です。ギネスブックで認定された世界最長の猫も、メインクーンです。飾り毛の付いた大きな耳と、長くてたっぷりの毛で覆われた尾を持っています。

被毛の色やパターンに制限はなく、目の色はグリーンまたはゴールド系です。

外見は堂々としていて誇り高い雰囲気ですが、性格は温和でやさしく、人によく懐きます。賢くて度胸があり、外交的で遊び好きです。

また、祖先は農園でネズミ退治の仕事をしていたので、田舎の生活が似合っているともいわれています。

4.アメリカンカール

アメリカンカールの子猫3匹

アメリカンカールは、いつまで経っても遊び好きな子猫のような愛らしさを失わないため『猫界のピーターパン』という別名で呼ばれています。

この猫種も新しく、1981年に南カリフォルニアで耳のカールした突然変異の猫が生まれたことに端を発しています。

外見はセミフォーリンの中型で、外向きにカールした耳が最大の特徴的。愛くるしい表情も印象的です。細身ながらも筋肉質の体で、丸みのあるくさび形の頭部をしています。

短毛種と長毛種があり、長毛種の尾には羽飾りのような被毛があります。色とパターンは限定されておらず、目の色も毛色と無関係です。

性格はとても穏やかで頭もよく、旺盛な好奇心と人も遊びも大好きな愛情深い性格をしています。おとなになった後も変わらず、飼い主さんに対していつまでも子猫のように甘えてきます。

5.アメリカンショートヘアー

アメリカンショートヘアー

アメリカでは、ネズミ捕りが上手だからという理由で『マウサー』と呼ばれています。

1620年に、イギリス人入植者がメイフラワー号でアメリカに上陸しました。その際にネズミ捕り用に連れて来られた猫が、アメリカンショートヘアーの始まりだといわれています。

外見はセミコビーの中型で、筋肉質でがっしりした力強い体と、幅のある丸みのある頭部を持っています。硬い手触りの短い毛が密生しており、タビーや単色、バイカラーなどバラエティ豊かな被毛と、毛色の濃さに準じた目の色をしています。

おおらかな性格で、物怖じや人見知りをせず、強い独立心を持っています。社交的で遊び好きでもあり、人懐っこいですが、その割にはあまり鳴きません。

6.ロシアンブルー

ロシアンブルー

ロシアンブルーは、コブラが鎌首をもたげたような横顔をしていることから『コブラヘッド』という別名で呼ばれています。

ロシア北部の港町アルハンゲリスクが原産地で、1860年代にイギリスに持ち込まれました。白海経由の海上交易で栄えた港だったので、ネズミ駆除用に飼われていた猫だろうといわれています。

外見はフォーリンでほっそりとした筋肉質の体と細長い脚を持っています。くさび形の頭部は横から見ると平たい形をしています。

ブルーで先端がシルバーの短く密な被毛はとても柔らかく、ベルベットのような手触りです。目は鮮やかなエメラルドグリーンです。

人見知りをする傾向がありますが、飼い主さんには深い信頼を寄せ、よく懐いて深い愛情を示します。ほとんど鳴くことのない物静かな猫です。

まとめ

シャルトリューの子猫2匹

今回は、「別名」を持つ猫種をご紹介しました。

猫の別名から、その猫の特徴や歴史などをうかがい知ることができます。その猫の別名の詳細を知ることで、より親しみを感じることができるのではないでしょうか。

猫との相性を考える際、外見だけではなく、その品種の歴史や特徴なども併せて調べると、より親しめるかもしれませんね。

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