猫の命を奪う『アボカド』危険な理由と誤飲してしまった場合の対処法

猫の命を奪う『アボカド』危険な理由と誤飲してしまった場合の対処法

アボカドはビタミンやミネラルが豊富で、健康に良い食材として知られています。しかしそんなアボカドも、猫にとっては危険な食べ物であることをご存じでしょうか?そこで今回は、猫にとってアボカドが危険となる理由と、誤飲してしまった場合の対処法を詳しく解説します。猫と暮らしている人必見の内容です。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫にアボカドが危険な理由

切り分けられたアボカド

猫にアボカドが危険な理由は、アボカドに含まれる「ペルシン」という成分にあります。

アボカドに含まれるペルシンは、どのようなメカニズムで猫の体で分解・消化されるのかなど詳しいことは不明ですが、猫に「毒性がある」ことが分かっています。いわゆる「中毒」を引き起こし、猫にさまざまな悪影響をあたえ、適切な処置を行わないと命に危険が及びます。

ペルシンの致死量もまだ明らかになってはいません。ただし摂取量・体重・個体差によるもよりますが、ペルシンを大量に接種してしまうと12時間~24時間で死にいたることもあるといわれています。

ペルシンが含まれる部位と中毒症状は?

鉢植えのアボカド

アボカドが含まれる部位

アボカドのどの部分にペルシンが含まれているかは、品種や熟度によって異なりますが、一般的に果肉よりも葉や種に多く含まれていると言われています。

アボカドは観葉植物としても人気がありますが、アボカドの葉や種には高濃度のペルシンが含まれているため、猫が口にしないように注意が必要です。

ペルシン自体が比較的新しい成分なので分かっていないことも多いのですが、猫に与えてはいけないのは「果肉だけでなく、葉や種もすべて」ということを覚えておいてください。

ペルシンによって現れる中毒症状

アボカドに含まれるペルシンによって、猫には以下の症状が表れる場合があります。

【軽度】

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 軟便

【重度】

  • 呼吸困難
  • けいれん など

症状の程度は摂取量や体重、個体差によって相違があるものの、軽度でも重度の場合であれ「自然治癒」はほとんど望めないため早急な対処が必要です。

誤飲した場合の対処法

動物病院で診察される白黒の猫

猫がアボカドを誤飲した場合は、すぐに動物病院に連れていきましょう。

「自宅で吐かせた方が良いのでは!?」と思う人もいるかもしれませんが、素人が安易に吐かせる処置を行うのは、誤嚥の危険性を高めたり、かえって猫の体調を悪化させたりしてしまう原因になるのでやめてください。

したがって猫がアボカドを食べてしまったときは、たとえ夜間であっても急いで動物病院に連れていきます。またそのときにはアボカドを「いつ・どのくらい食べたか」をしっかり獣医師に伝えられるようにしておきましょう。

【おまけ】アボカドだけじゃない!身近な猫の「危険な食品」

ぶどう

アボカドだけでなく、猫に危険な食品は身近にあふれています…。猫を飼育している家庭は置きっぱなしに注意してくださいね!

カフェインを含む飲み物

中毒成分「カフェイン」によって興奮・けいれん・呼吸困難などを引き起こします。

玉ねぎ

中毒成分「有機チオ硫酸化合物」が猫の赤血球を破壊します。

ぶどう

中毒を起こす根本の成分は不明ですが、ぶどうのある成分によって急性腎不全を引き起こすといわれています。

レーズン

レーズンはぶどうを乾燥させたものなので、「ぶどう」と同じ理由でNGです。

ユリの花(食品ではないけど要注意!)

中毒成分は未解明ですが、猫にとってユリは非常に危険な毒物です。見られる症状は嘔吐などで、中量食べただけでも腎臓が壊死するほどの悪影響を及ぼします。

これらの食べ物は、猫の体に悪影響を及ぼす危険な食品です。猫の健康を守るためにも、飼い主は与えてはいけない食品についてしっかりと理解しておきましょう。

まとめ

アボカド

アボカドは人間にとって栄養豊富な食材である一方で、猫は「ペルシン」という成分によって中毒を引き起こす危険な食品。そのため猫のいる家庭では、アボカドの取り扱いには十分注意をはらうようにしましょう。

そしてもしも猫がアボカドを食べてしまった場合は、早急に獣医師の診察を受け適切な対処を行うことが重要です。

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