猫の鳴き声で気持ちを読み取れるの?
猫は、人のように言葉をコミュニケーションの中心ツールにはしていません。そのため、猫同士が鳴き声でコミュニケーションを図るのは、母猫に完全に依存している子猫時代がメインで、成猫になった後は喧嘩や発情期など、僅かなシーンに限られることが多いです。
しかし人と一緒に暮らしている猫の場合は、飼い主さんの性格などにあわせて人とコミュニケーションを図るようになるため、非常に雄弁な猫になることも珍しくはありません。
例えば、飼い主さんからの呼びかけに返事をしたり、鳴き声で挨拶をしたりします。また何か要求がある時、痛みを訴えたい時、不満や怒りを示したい時などに、鳴くことで意思表示をします。さらにはリラックスしたり興奮したときなどに、思わず声が出てしまうこともあるようです。
そしてSNSなどの動画で時々話題になるのが、食事中にまるで「旨い旨い」と言っているように聞こえる「うみゃうみゃ」といった鳴き声です。今回は、食事中の子猫がよく「うみゃうみゃ」と鳴くワケについて、考えてみたいと思います。
1.美味しくて興奮
食事の間中「うみゃうみゃ」と鳴きながら、鼻息荒く一心不乱に食事に食らいついている猫の姿を目にすることがあると思います。こういう光景は大抵の場合が子猫で、成猫が「うみゃうみゃ」と鳴きながら一心不乱に食べている光景は、あまり目にしないように思います。
似たような光景として、お腹を空かせた幼児が鼻を鳴らしながら必死に食べている光景を思い浮かべるかもしれません。また、豚がフガフガ言いながら餌をがっついている光景も、似ているかもしれませんね。
おそらく、子猫たちも食事が美味しくて興奮してしまい、何か自己主張しながらも食べることを止められず、甲高い声で「うみゃうみゃ」といった独特な発音になっているのではないかと考えられます。
2.兄弟たちに取られないよう牽制
特に多頭飼いの場合は、他の猫達に自分の分のご飯まで取られないように牽制している可能性があります。
同じ年頃の兄弟猫だったとしても、成長とともに力のある猫と弱い猫、また早く食べ終える猫と遅い猫というような違いが出てきます。そうすると、力の強い猫や食べるのが早い猫が、弱い猫や食べるのが遅い猫の分まで食べてしまうことがあるのです。
多頭飼いではなくても、せっかちな飼い主さんがとっとと給餌皿を下げてしまうような場合は、「まだ食べてるからね、片付けないでね」と訴えて鳴いているのかもしれませんね。
3.飼い主さんに感想を伝えている
基本的に猫同士のコミュニケーションは、ニオイを主としていると考えられています。
人のように声を使ったコミュニケーションは母猫に依存している子猫時代に多く見られ、成猫同士がお互いにニャーニャーと鳴き合ってコミュニケーションを図ることは、あまりありません。
しかし、言葉を主としてコミュニケーションを行う人間と一緒に暮らしている猫は、飼い主さんに対して声を使うことで、自分の気持ちをうまく伝えられることを学んでいきます。そのため、愛猫に良く話しかける飼い主さんの飼い猫は、よく鳴くようになることが多いようです。
そんな猫の場合は、「今日のご飯はいつもより美味しいね!」とか「このニオイ、たまらないな!」、「次もこのご飯にしてね!」などと、ご飯に対する感想や要望を伝えようとしているのかもしれません。
まとめ
愛猫と直接会話をすることはできませんが、愛猫の仕草や表情、鳴き声、姿勢などをしっかりと観察していると、だんだんと愛猫の気持ちを汲むことができるようになってきます。
食事をしながら「うみゃうみゃ」鳴くのは子猫である場合が多いようですが、その様子を観察することで、他の猫達への牽制なのか、美味しくて興奮しているのか、食べながら飼い主さんに話しかけているのか、分かるようになってくるかもしれません。