コラットとは
数ある猫種の中でも、日本では希少といわれるコラット。正式に品種登録されたのはアメリカですが、原産国はシャム猫の原産としてもよく知られるタイです。
北東部のコラット地方で自然発生したことから、このような名前になりました。初めて発見されてから500年以上経つコラットですが、身体的特徴にほとんど変化がないともされています。
またコラットは、タイでは「幸運をもたらす猫」として長く愛されています。その歴史は、200年ほど前の文献にもコラットの姿が残されているほど。コラットが古くから特別な猫として守られてきたことが分かりますね。
幸運をもたらすと言われる要因はいくつかありますが、他国ではなかなか見ないシルバーブルーの色味がそのひとつ。青みがかったグレーのような色味が富をもたらすとして、雨ごいや結婚式の贈り物に使われているんだとか。また、ハート型の頭部やグリーンの瞳も縁起がいいと言われる所以です。
コラットの性格
コラットは基本的に、温和で社交的な性格をしています。ただしプライドが高く、人間でいうところの『上から目線』で振る舞う一面も。飼育においても、特定の家族にだけ寄り添ったり、多頭飼いでは他の猫より優位に立とうとすることがあります。
プライドが高いというと「ツン」としたイメージを持つかもしれませんが、コラットは遊び好きな猫種でもあります。必要な運動量が多いので、遊びの時間を多く取ってあげられるとベターです。誇り高い性格のコラットですが、子供と遊ぶときは手加減するなど、知的な優しさを見せることもあるんですよ。
また聴覚や嗅覚が他種よりも優れているため、音やニオイの変化に敏感です。一緒に生活をする中では、なるべく静かに過ごしたり、ニオイの強いものを避けたりと、配慮してあげることがポイントに。
支配的な性格でありながら孤独に弱く、活発でありながら騒がしい場所は苦手なので、飼い主としては「静かにかまってあげる」といったスタンスを取るのがおすすめです。
コラットの特徴
コラットの身体的特徴は、『ブルーグレーの被毛』『ハート型の頭部』『オリーブグリーンの瞳』の3つです。
ブルーグレーの被毛はまるでサテンのような光沢があり、短毛種でありながら非常に華やかな印象を与えます。ハート型の頭部(顔の輪郭)も、他の猫種ではほとんど見られません。
そして中でも特筆すべきなのが、成長とともに瞳の色が変わることでしょう。オリーブグリーン以外にヘーゼルやイエロー、ゴールドなどのカラーもあり、神秘的な変化を堪能できます。
もうひとつ特徴的なのが、子猫から成猫へと成長するのに4~5年かかるということ。一般的な猫は1年で成猫になることを考えると、これはかなり珍しい特徴です。ブルーグレーの被毛が完成するのもこれだけの時間がかかるため、総じて成長が楽しい猫種といえます。
またコラットの容姿を見て『ロシアンブルー』を連想した方もいると思いますが、両者の大きな違いは体型です。ロシアンブルーは華奢な体型ですが、コラットはどしっと筋肉質なフォルムをしています。
まとめ
日本では希少猫種として、飼育頭数すら明らかになっていないコラット。通常の流通ルートに乗ることはほとんどないと言っていいほどで、ペットショップで入手するのは非常に困難です。お迎えしたい場合は、国内ブリーダーを探すか、海外輸入することになります。
お迎えのハードルは高いものの、原産国タイでは幸運をもたらすとして愛されている特別な猫。ブルーグレーの被毛にハート型の頭部、グリーンの瞳など、日本では見られないエキゾチックで優雅な容姿も魅力です。
プライドが高く多頭飼いには注意が必要ですが、特定の家族と強い絆を結びたがる傾向があるため、人生を共に歩む素晴らしいパートナーになるでしょう。